今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japan TERADAです。
2月下旬から3月末にかけて、各地ディーラー様にて開催されたオーダー会に参加させていただきました。
お会いできた皆さま、各会場に足を運んでいただき、感謝申し上げます。
それぞれの会場で、実際にコレクションに触れていただきながら、サイズ感を確かめたり、イメージを重ねたり。
一着に向き合う、その時間がとても印象に残っています。
今回ご紹介するのは、26SSコレクションのリネンシリーズ。
ファブリックでありながら、どこかレザーと共通する空気をまとった素材です。
その第一弾をご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧ください。
ヴィンテージ・リネンという素材、時間を経て見えてきたこと

1年触れて見えてきた、リアルヘンプという素材
このヴィンテージ・リネン(リアルヘンプ)という素材も、使い始めて1年ほど経ちました。
25SSで初めてコレクションに採用したときは、これは面白いものになると感じながら、どんな変化をしていくのかを個人的にも楽しみにしていた素材です。
いわゆる一般的なリネンとは違う、少し粗さのある質感。
最初に触れたときは、その不均一さや、同じものが一つとないような表情が強く印象に残っていました。
そして実際に製品として仕上げ、この1年向き合ってきた中で、印象も少しずつ変わってきています。
通気性といった機能的な良さはもちろんあるのですが、それ以上に、この素材が持っている空気感にさらに惹かれるようになりました。
どこか乾いていて、それでいて奥にしっかりとした強さがある。
そしてレザーと共通する育つ楽しみ。そんな素材です。
不均一という美しさ
この素材を触り続けて感じるのは、やはり均一ではないということの面白さです。
糸の段階からすでにムラがあり、生地としてもネップやスラブが自然と現れている。
きっかけは、生地屋のオーナーから見せてもらった、50年代にイタリア空軍で使われていたヴィンテージのヘンプ生地でした。
その生地をデザイナーと共に見たとき、整っていないはずなのに、妙に惹きつけられる感覚があったのを今でも覚えています。
整えられていないからこそ、印象に強く残る表情。
そして、その一つ一つに、どこか説得力がある。
レザーを見ているときと、少し近い感覚です。

ファブリックでありながら、レザーのように扱う
製作の工程についても、揉みや叩きの工程を加えていくことで生地の表情が大きく変化していきます。
同じ生地でも、仕上がりは一枚ずつ違う。
そのため、裁断もまとめてではなく、一着ごとに判断していく必要があります。
どの部分をどこに使うかで、仕上がりの印象が変わる。
この感覚は、やはりレザーに近いものがあります。
やりすぎないこと。
整えすぎないこと。
そのバランスを探る作業が、この素材の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。
この素材が形になったとき
今回のリネンシリーズは、素材の特性がそれぞれのアイテムに現れています。
ここからは、ジャケット、パンツ、コートの3型についてご紹介します。
1950’s VINTAGE LINEN 100% SHOWL COLLAR JACKET UNLINED JJK-4
ヴィンテージリネン・ショールカラー ジャケット JJK-4 [Art. 71-1250]

昨年のカジュアル寄りのバランスから、今回は印象を少し変えたジャケットです。
ベースになっているのは、ホースレザー・レジナートでも展開しているモデル。
よりラインを意識した、ややクラシック寄りの設計ですが、そこにリアルヘンプを乗せることで、雰囲気は一気に変わります。
整ったシルエットの中に、不均一な表情が入ることで、どこかラフさを含みながら、それでいて成立しているバランス。
26SSのテーマでもある、クラシックを今の解釈でという部分が、このジャケットにはよく表れています。

フラップポケットをつけたことで、よりクラシックな印象に寄せつつ、素材のムラ感やシワが、その雰囲気を少し崩してくれる。
襟は立てても着られる設計になっているので、その日のスタイルによって表情を変えることもできます。
ドレスの要素と、素材のラフさ。
その間にあるバランスが、このジャケットの一番の魅力だと感じています。
1950’s VINTAGE LINEN 100% PANTS UNLINED SJP-2
ヴィンテージリネン・パンツ SJP-2 [Art. 71-6710]

ベースになっているのは、これまで展開してきたカーブパンツ。
そこから、シルエットとディテールをアップデートしています。
適度にゆとりを持たせたシルエットは、この素材との相性が良く、通気性の良さもあり、ストレスなく着用できるバランスになっています。

特徴的なのは裾の仕様です。
オリジナルのスナップボタンを配置することで、開閉によってシルエットの変化を楽しめる設計になっています。
そのまま穿いたときの自然な溜まり方も良いですし、開いて少し動きを出すことで、また違った見え方になる。
スタイルに応じて調整できるのも、このパンツの魅力のひとつです。
素材に厚みとハリがあるため、着用していく中で大ぶりなシワが入っていき、そこから自然なドレープが刻まれていく。
そのシワは、ただの使用感ではなく、形として残っていく印象です。
このあたりの経年変化も、どこかレザーに近い感覚があります。
シルエット、機能、そして素材の表情。
そのすべてがバランスよくまとまった一本だと感じています。
1950’s VINTAGE LINEN 100% MAC COAT UNLINED
ヴィンテージリネン・マックコート [Art. 71-5440]

この素材を最もダイレクトに感じられるのが、この一着です。
面積が広がることで、不均一な表情やムラ感がより際立ち、素材そのものの存在感がそのまま形になって現れてきます。
シルエットは程よくゆとりを持たせた設計。
着丈も膝下とやや長めに設定されています。この素材特有のハリによって、しっかりと形を保ちます。
動きで見せるというより、佇まいで魅せるコート。
フロントは比翼仕様、袖口も同様にミニマルにまとめることで、全体の印象をより落ち着いたトーンに整えています。
その整った構造の中に、素材のムラや不均一な表情が入ることで、どこか均一ではない、奥行きのある見え方になる。
素材の乾いた空気感と、わずかな陰影が重なり、着込むほどにさらに表情が深まっていきます。
クラシックな形でありながら、素材によって印象が変わる。
その変化を最も感じやすい一着です。
今回のリネンシリーズ第一弾をご紹介しました。
素材としての特性と、それが形になったときの見え方。
ヴィンテージリネンという素材の奥行きを、あらためて感じています。
引き続き、ヴィンテージリネンシリーズでは、ショーツやジレなども登場予定です。
ぜひお楽しみになさってください。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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TERADA
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