樹脂に閉じ込めた色、解き放たれる時間 ― レジナートホースとニット

いつもincarnation BLOGをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation japan WATANABEです。

各地で行われたincarnation 2026AW コレクションイベントも大変多くの方にご来場いただき無事に終えることができました。
足を運んでくださったみなさま、この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。
今後もイベントを精力的に開催していく予定ですので、今回ご都合が合わなかった方も、ぜひ次の機会にご覧いただければ嬉しく思います。

そちらと並行してイタリアでは生産が進んでいた2026SSアイテムたちが続々と仕上がり昨日にイタリアから日本へと旅立っていきました。

今回は、その中でも一際、存在感を放つレジナートホースレザーについて少し触れてみようと思います。

そして以前にも紹介したイベントのために制作された一度きりの限定アイテムのニットについても、しばらく私自身が着用して感じた感想を改めて語ってみようと思います。

ぜひ、最後までお楽しみください。

ホース レジナートレザーショールカラージャケット

HORSE RESIN LEATHER SHOWL COLLAR JACKET JJK-4 [Art.11D-1253]

今回ご紹介するレジナートホースレザーは、レジン(樹脂)を用いた仕上げが特徴の素材です。

ベースとなるホースレザーに対して、樹脂を重ねることで独特の奥行きと表情が生まれています。
このベースレザーのカラーととレジンの色の組み合わせによって印象が、印象が大きく変わるため色の設計そのものにセンスが問われる素材でもあります。

今回のモデルでは、ボルドーまたはオレンジに染め上げた革の上に、黒の樹脂を乗せることで仕上げられています。

左からオレンジ&ブラック(54x91R) ボルドー&ブラック(52x91R)

光の当たり方や動きによって、下地の色がわずかに浮かび上がり、単調ではない深みのある表情を見せます。

樹脂によって表面には独特の緊張感が生まれ、ホースレザー特有のコシや反発と相まって、しっかりとした存在感を感じられる素材です。

ボルドー&ブラック(52x91R)

また着用を重ねていくことで、表面の変化も少しずつ現れていきます。
経年変化により下地の色味がより樹脂の隙間から目立つようになり唯一無二のコントラストが生まれます。

オレンジ&ブラック(54x91R)

最初から完成された表情を持ちながらも、着ることでさらに目に見えて変化していきます。
この二面性も、このレジナートレザーの魅力のひとつだと思います。

シンプルなデザインであっても、素材そのものが持つ力によって、強い印象を残す一着に仕上がっています。

重さの中に余白をつくるニット

CUT & SAWN SJC-1 [Art. 89-6700] 

左からオリーブ(T61) ブラック(T91)

そして、こうした存在感のあるレザーに対して、インナーとして合わせたいのが以前ご紹介したニットです。
(前回の記事はこちら ▶︎ https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=5986 )

こちらは今回のオーダーイベントに合わせて制作された、通常のコレクションには登場しない特別な一着となっています。

今回20着ご用意しておりましたが、グレーは完売し、ブラック1着、オリーブ2着といずれも残りわずかとなりました。

以前のブログでも書いた通り、私は通年、incarnation定番素材のカットソーを着ているため、ニットに袖を通すことはほとんどありませんでした。

理由としては、レザーやコートの下に着た際にごわついてしまうことや、素材によっては、お手入れが難しいと感じていたからです。
しかし実際に以前のブログからも着用を重ねるたびに、その印象は大きく変わりました。

176cm 64kg Size S着用 Col,オリーブ(T61)

見た目には、しっかりとした厚みがありながらも、腕を動かした際のストレスは、ほとんど感じられず、生地が溜まるような感覚もありません。

軽さと扱いやすさのバランスに優れ、ご自宅での洗濯も可能なため、日常使いにおいてもストレスなく着用いただけます。

このニットを着用してから、「ニット=レザーの下では使いにくい」というこれまでの感覚が、大きく変わりました。

重さのあるレザーに対して、インナーで少し力を抜くための一着として、自然に取り入れやすい存在だと感じています。

176cm 64kg Size S着用 Col.ブラック(T91)

また春らしくなってきた気候でも、一枚で着た際には、程よくリラックスしたシルエットと素材の表情によって、シンプルながらも成立するバランスに仕上がっています。

レザーのインナーとしても、単体でも使える。

そのどちらにも無理がなく、自然に成立する点が、このニットの大きな魅力です。

残りわずかとなっておりますが、サイズの合う方は、ぜひこの特別な一着を手に取っていただければと思います。

Col.BLACK (残りSize Sのみ)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1

Col.OLIVE (残りSize Sのみ)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1-olive/

Col.GRAY(完売しました)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1-gray

今回ご紹介したレジナートホースレザーは、素材そのものが持つ強い表情と存在感が魅力の一着です。
下地の色とレジンの重なりによって生まれる奥行きや、着用を重ねることで変化していく表情。

最初から完成された印象を持ちながらも、時間とともに変化していく過程も含めて楽しめる素材だと感じています。
一方で、イベント限定のニットは、実際に着用する中でその印象が大きく変わったアイテムでした。

レザーの下でもごわつかず、自然に馴染む着用感。
これまで感じていたニットに対するイメージが変わり、日常の中でも取り入れやすい存在になっています。

それぞれ異なる魅力を持ったアイテムですが、どちらも実際に袖を通すことで、よりその良さを感じていただけると思います。

ぜひご自身のスタイルの中で取り入れてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

incarnation Japan 
WATANABE

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レザーのように変化していく素材|26SS ヴィンテージリネン

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japan TERADAです。

2月下旬から3月末にかけて、各地ディーラー様にて開催されたオーダー会に参加させていただきました。
お会いできた皆さま、各会場に足を運んでいただき、感謝申し上げます。

それぞれの会場で、実際にコレクションに触れていただきながら、サイズ感を確かめたり、イメージを重ねたり。
一着に向き合う、その時間がとても印象に残っています。

今回ご紹介するのは、26SSコレクションのリネンシリーズ。
ファブリックでありながら、どこかレザーと共通する空気をまとった素材です。

その第一弾をご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧ください。

ヴィンテージ・リネンという素材、時間を経て見えてきたこと

1年触れて見えてきた、リアルヘンプという素材

このヴィンテージ・リネン(リアルヘンプ)という素材も、使い始めて1年ほど経ちました。

25SSで初めてコレクションに採用したときは、これは面白いものになると感じながら、どんな変化をしていくのかを個人的にも楽しみにしていた素材です。

いわゆる一般的なリネンとは違う、少し粗さのある質感。

最初に触れたときは、その不均一さや、同じものが一つとないような表情が強く印象に残っていました。

そして実際に製品として仕上げ、この1年向き合ってきた中で、印象も少しずつ変わってきています。

通気性といった機能的な良さはもちろんあるのですが、それ以上に、この素材が持っている空気感にさらに惹かれるようになりました。

どこか乾いていて、それでいて奥にしっかりとした強さがある。

そしてレザーと共通する育つ楽しみ。そんな素材です。

不均一という美しさ

この素材を触り続けて感じるのは、やはり均一ではないということの面白さです。

糸の段階からすでにムラがあり、生地としてもネップやスラブが自然と現れている。

きっかけは、生地屋のオーナーから見せてもらった、50年代にイタリア空軍で使われていたヴィンテージのヘンプ生地でした。

その生地をデザイナーと共に見たとき、整っていないはずなのに、妙に惹きつけられる感覚があったのを今でも覚えています。

整えられていないからこそ、印象に強く残る表情。

そして、その一つ一つに、どこか説得力がある。

レザーを見ているときと、少し近い感覚です。

ファブリックでありながら、レザーのように扱う

製作の工程についても、揉みや叩きの工程を加えていくことで生地の表情が大きく変化していきます。

同じ生地でも、仕上がりは一枚ずつ違う。
そのため、裁断もまとめてではなく、一着ごとに判断していく必要があります。

どの部分をどこに使うかで、仕上がりの印象が変わる。
この感覚は、やはりレザーに近いものがあります。

やりすぎないこと。

整えすぎないこと。

そのバランスを探る作業が、この素材の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。



この素材が形になったとき

今回のリネンシリーズは、素材の特性がそれぞれのアイテムに現れています。

ここからは、ジャケット、パンツ、コートの3型についてご紹介します。

1950’s VINTAGE LINEN 100% SHOWL COLLAR JACKET UNLINED JJK-4

ヴィンテージリネン・ショールカラー ジャケット JJK-4 [Art. 71-1250]

昨年のカジュアル寄りのバランスから、今回は印象を少し変えたジャケットです。

ベースになっているのは、ホースレザー・レジナートでも展開しているモデル。

よりラインを意識した、ややクラシック寄りの設計ですが、そこにリアルヘンプを乗せることで、雰囲気は一気に変わります。

整ったシルエットの中に、不均一な表情が入ることで、どこかラフさを含みながら、それでいて成立しているバランス。

26SSのテーマでもある、クラシックを今の解釈でという部分が、このジャケットにはよく表れています。

フラップポケットをつけたことで、よりクラシックな印象に寄せつつ、素材のムラ感やシワが、その雰囲気を少し崩してくれる。

襟は立てても着られる設計になっているので、その日のスタイルによって表情を変えることもできます。

ドレスの要素と、素材のラフさ。

その間にあるバランスが、このジャケットの一番の魅力だと感じています。

1950’s VINTAGE LINEN 100% PANTS UNLINED SJP-2

ヴィンテージリネン・パンツ SJP-2 [Art. 71-6710]

ベースになっているのは、これまで展開してきたカーブパンツ。

そこから、シルエットとディテールをアップデートしています。

適度にゆとりを持たせたシルエットは、この素材との相性が良く、通気性の良さもあり、ストレスなく着用できるバランスになっています。

特徴的なのは裾の仕様です。

オリジナルのスナップボタンを配置することで、開閉によってシルエットの変化を楽しめる設計になっています。

そのまま穿いたときの自然な溜まり方も良いですし、開いて少し動きを出すことで、また違った見え方になる。

スタイルに応じて調整できるのも、このパンツの魅力のひとつです。

素材に厚みとハリがあるため、着用していく中で大ぶりなシワが入っていき、そこから自然なドレープが刻まれていく。

そのシワは、ただの使用感ではなく、形として残っていく印象です。
このあたりの経年変化も、どこかレザーに近い感覚があります。

シルエット、機能、そして素材の表情。

そのすべてがバランスよくまとまった一本だと感じています。

1950’s VINTAGE LINEN 100% MAC COAT UNLINED

ヴィンテージリネン・マックコート [Art. 71-5440]

この素材を最もダイレクトに感じられるのが、この一着です。

面積が広がることで、不均一な表情やムラ感がより際立ち、素材そのものの存在感がそのまま形になって現れてきます。

シルエットは程よくゆとりを持たせた設計。

着丈も膝下とやや長めに設定されています。この素材特有のハリによって、しっかりと形を保ちます。

動きで見せるというより、佇まいで魅せるコート。

フロントは比翼仕様、袖口も同様にミニマルにまとめることで、全体の印象をより落ち着いたトーンに整えています。
その整った構造の中に、素材のムラや不均一な表情が入ることで、どこか均一ではない、奥行きのある見え方になる。

素材の乾いた空気感と、わずかな陰影が重なり、着込むほどにさらに表情が深まっていきます。

クラシックな形でありながら、素材によって印象が変わる。

その変化を最も感じやすい一着です。



今回のリネンシリーズ第一弾をご紹介しました。

素材としての特性と、それが形になったときの見え方。
ヴィンテージリネンという素材の奥行きを、あらためて感じています。

引き続き、ヴィンテージリネンシリーズでは、ショーツやジレなども登場予定です。
ぜひお楽しみになさってください。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

incarnation Japan
TERADA


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