incarnation 25AWコレクション – 完成への道のり


incarnation Japan ブログを訪れていただき、ありがとうございます。

以前のブログでは、12月下旬から始まった染め加工や縫製作業、そしてコレクション準備中の現場について紹介しました。

今回はその続きとして、完成間近のサンプルがコレクションとして形になるまでの私たちの日々をお伝えしたいと思います。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。


職人たちと過ごす年始の緊張感



コレクションの準備は昨年夏の終わりにスタートし、秋には具体的な形が見え始め、12月には染めや縫製の工程に入りました。

そして、新年を迎えてからが、私たちにとって一番の山場となります。


イタリアでは、クリスマス(NATALE)から1月6日のエピファニー(Epifania、東方三博士がイエスを訪れた日を祝う日)までを大切に過ごす文化があります。

この期間は2週間以上にわたり休暇を取る人もいれば、元旦明けから仕事を再開する人もいて、その過ごし方はさまざまです。


職人たちも例外ではなく、それぞれのペースに合わせてスケジュールを調整していく必要があります。

とはいえ、年末までにすべてが計画通り進むことはありません。


今年も例外ではなく、雨の日が続いた影響で、あるマテリアルのレザーの乾燥が大幅に遅れてしまいました。
このような状況は毎シーズン恒例のようなものですが、それでも緊張感が走ります。


「レザーは急ぐといいものが生まれない」―これはデザイナーがいつも口にする言葉です。

乾燥が止まることで他の工程に影響が出ますが、慎重に進めざるを得ません。

それでも、職人たちは焦ることなく、「最後にはなんとか間に合わせるさ」と。
そして、毎回コレクションには間に合うから不思議なものです。




乾燥を待つ間にレザーウェアやシューズ、小物、布帛製品といった多岐にわたるラインナップの最終調整を進めていきます。

そして、ようやく乾燥が終わり次の加工に入ったレザーは、予想以上の仕上がりを見せてくれました。



「急ぐといいものは生まれない」
という言葉を改めて確信する瞬間でした。







撮影の日 | アイテムが語り始める瞬間



サンプルが無事に揃ったら、次は撮影です。

今回の撮影場所は、ウンブリア州の隣、マルケ州にある知人のスタジオ。

昨年訪れた際に一目惚れした、雰囲気のあるスペースです。
このスタジオでの撮影が、25AWコレクションの世界観を形にする大きな一歩となりました。


早朝5時に起床し、ペルージャを出発。

車にサンプルと撮影機材を詰め込み、まだ薄暗い街を抜けてマルケへと向かいます。
移動中の車内は、控えめな会話と窓の外を眺める静かな時間。

到着した頃には、気温はマイナス2度。スタジオ周辺の空気は冷え切っており、吐く息が白く漂っていました。

冬の撮影は毎回寒さとの戦いですが、撮影中は高揚感と緊張感が寒さを忘れさせてくれます。




撮影チームは、長年一緒に仕事をしてきた仲間たち。


信頼し合えるこのメンバーで行う撮影は、まさに「阿吽の呼吸」で進みます。
6時間あまりの撮影はあっという間に過ぎ、納得のいく仕上がりに。


完成した写真と映像には、アイテム一つひとつの存在感が見事に引き出されていました。

撮影の瞬間を思い返しながら、改めてこのコレクションが持つ魅力を強く感じています。

今回も、ムービーと画像の完成が楽しみでなりません。








パリ展へ| いよいよ、コレクション公開


撮影が終わると、翌々日からパリでの展示会が待っています。

フィレンツェ空港からシャルル・ド・ゴール空港へ到着し、ハイヤーで展示会を行うアパートメントへ。
曇り空が広がるパリの街並みを眺めながら、静かな緊張感と期待が入り混じります。

空港からアパートメントまでは渋滞に巻き込まれ、約2時間半の移動でした。




今回も広めのアパートメントを貸し切り、コレクションを展示します。
私たちの強い想いで、「訪れた人にブランドの世界観を肌で感じてほしい」という考えからです。

渋滞で遅れながらもアパートメントに到着し、すぐにサンプルを運び入れ、その足でハイヤーに積んでいたハンガーラックを取りに向かいます。

ラックを搬入し終えて、やっとここから展示の準備です。
事前にイメージしていたレイアウトを試しながら微調整を重ね、「これだ」と思える配置に仕上げていく作業は、緊張と楽しさが入り混じるひとときです。

全てが整ったのは夜の21時過ぎ。
朝6時に家を出て以来、何も食べていないことを思い出し、少しだけ食事を取りながら一息つきます。




しかし、まだ終わりではありません。
仕上げとなるビデオ制作の打ち合わせが残っていました。

細部にこだわりながら作業を進め、完成したのは深夜。


長い一日がようやく終わりを迎えましたが、これもまた毎シーズンの恒例行事です。


いよいよ25AWコレクションが始まります。

皆さまにお届けできる日を楽しみにしております。
どうぞご期待ください。





「incarnation JAPAN」展示販売会 開催中

普段オンラインでしか触れることのできないincarnation JAPANのアイテムを、今回も実際に手に取ってご覧いただけます。

写真や画面越しでは伝わりきらない細部へのこだわりや素材の質感を、実際にご覧いただき、感じていただければと思います。

詳しい詳細は下記記事をご参照ください。
https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=3315







【incarnation Japan LINE公式アカウント開設のご案内】


incarnation Japan LINE公式アカウントを新たに開設いたしました。
最新コレクションや限定情報など、いち早く皆様にお届けする予定です。

特別展示イベントや製品に関するご質問やお問い合わせもLINEでお気軽にご連絡ください。

下記のQRコードを読み取り、ぜひ友達追加をお願いいたします。

incarnation JAPAN Gallery / Staff URANO

Fitting Gallery

—– その後
のブログがなかなか書けずにいて申し訳ありません。

incarnation JAPAN Staff の ウラノ です

自分のお店とブランド、そういった様々な案件を同時進行させている関係でなかなか時間が取れずに自分でも歯痒い気持ちでおります。
より JAPAN の仕事にも注力出来るようにと現在自分自身の環境を整えているところですのでもう少しお待ち下さい。
個人的なスケジュールとしては明日から開催の incarnation JAPAN Gallery を終えたあとには incarnation のインラインコレクションの視察と来季以降の打ち合わせを兼ねて イタリア のアトリエへの訪問を予定しております。(2/3〜8)

現地へ赴くことでさらに深みのある商品紹介やブランドが構成するアイテム作りにも携わり、そういった部分も incarnation へ興味を持って下さる全ての方へ還元出来るようにと思っております。

incarnation JAPAN Gallery

2025. 1 / 25(sat)26(sun)27(mon)

Open 12:00 – 19:00

Free ENTRANCE

at Garage EDEN
—– MAP

ぜひ皆様のご来場を心よりお待ちしております。
商品のみならずその世界観を僕がお伝え出来ればと思っております。

—– Garage EDEN Blog での incarnation JAPAN Gallery への案内

こちらのブログでも紹介をしておりますので御一読頂ければ幸いです

【incarnation Japan LINE公式アカウント】

 

基本的に日本店長の私がこちらのLINEへの対応もしております。
ぜひお気軽にご登録とメッセージを頂ければ幸いです。

Exclusiveモデル|バルマカンコートの魅力とスタッフ私物レザーの経年変化


incarnation Japan ブログを訪れていただき、ありがとうございます。

今回は、Exclusiveモデル 「バルマカンコート」の魅力とレザーアイテムの経年変化(スタッフ私物)について紹介いたします。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。

BUFFALO LEATHER BALMACAAN COAT [22-5797]

Exclusiveモデル バルマカンコートの魅力

バルマカンコートは、伝統的なデザインがルーツなシルエットとシンプルな美しさを備えた一着。

伝統的なデザインと現代的な感性の融合

incarnationのバルマカンコートは古くからある伝統的なデザインを基にしています。

しかし単なる懐古的なコートで終わることはなくクラシックな輪郭に、Wポケットやシャープなカッティングなどの現代的なディテールを加えることで、クラシカルでありながらモードに溶け込むデザインに仕上げました。




Exclusiveモデルのこだわり

過去のコレクションでは、カーフレザー製のバルマカンコートを展開。
滑らかで細やかな吟面と、柔らかな風合いがカーフレザーならではの特徴です。

今回は再現ではなく、新たな挑戦として制作。

選んだのは、incarnationの数あるレザーの中でも、野性味溢れる荒々しい表情が男らしさを引き立てるバッファローレザーです。

カラーは
71N(ダークブラウン) 31N-OCF(ダーティグリーン)を採用。


カラーは、どちらもバッファローレザーの魅力を存分に引き出すダークブラウンとダーティグリーンを選択。

バッファローレザーの発色は、透明感があり、シボ感、皺が重なり合う風合いは、唯一無二の魅力を放っています。

イタリアの歴史あるベジタブルタンニン鞣しを得て、生み出された荒々しくも、美しい表情のバッファローレザー。
伝統的なルーツを持ちつつ現代の感性を宿したバルマカンコートと組み合わせることにより、特別なコートが仕上がりました。


こちらのExclusiveモデルのバルマカンコートは、下記ディーラーにて販売しております。

デザインの特徴はMORPHINE様のBLOGにて紹介していただいております。
ぜひ、そちらもご覧になっていただければ嬉しく思います。

MORPHINE
〒440-0888 愛知県豊橋市駅前大通3-118 ムラカミビル1F
TEL: 0532-53-8933
営業時間: 11:00 ~ 20:00 
定休日: 水曜日
https://www.morphine.jp




レザーアイテム 経年変化とその魅力

レザーウォレット 経年変化

こちらのレザーウォレットは以前にBLOGでも紹介しました。

CALF LEATHER WALLET SQ-1 [art.no.14F-81020]

STRAP WITH HOOK [art.no.14F-81030]  

こちらと同一のモデルとなっております。

生産されるタイミングで同じモノをオーダーし、オフィシャルサイトがオープンすると同時に愛用し始めました。

数ヶ月が経ち経年変化が出てきましたので紹介させていただきます。

2ヶ月目の変化

このウォレットを使いはじめて約2ヶ月が経ちました。

艶感が増し、色味がワントーン濃くなるなど、革特有の魅力が早速、現れはじめています。

オイルケアは行わず、日常的にバックポケットに入れて使用しているため、座るときの圧力や摩擦で独特の皺が浮かび上がってきました。


このように使い手の生活がそのまま反映されるレザーウォレットは、経年変化が楽しめる身近なレザーアイテムの一つです。


ライダースジャケット 3年目の進化



こちらは愛用して3年目を迎えました。

深まる皺と艶が現れ、独自の表情を纏っています。

着用を重ねるごとに、日々変化を見せてくれるその姿に、ますます愛着が湧いています。

カラーは91NBK(ブラック-BLACK EDITION

BK(BLACK EDITION)仕様の特徴
ライダースジャケット全体を構成するパーツすべてをブラックで統一した特別仕様。

ダブルライダースに当てはめることにより、シックで洗練された印象を与え、ダブルライダースのデザインが引き立っています。

経年変化の様子

左側が着用3年目 右側が着用1年目

1年目からすぐに着用者の皺が深く刻まれはじめ、その後追うようにブラックカラーは艶感と同時に深みが増していきました。

色味の変化

夏も着用し続けていたため、イタリアの強い日差しを受け、ブラックカラーが全体的に深みのある独特の風合いが生まれています。



パーツの変化

BLACK EDITION 特有の黒い金具が、日々の摩耗によって削れ、下地の金属が現れています。

これが色味の焼けている変化と相合わさり、さらに味わいを与える要素となっています。




個人的には、現時点でも1つの到達点ともいえる仕上がりと感じていますが、さらに着込むことにより新たな進化を楽しみにしています。

以前のBLOG記事で紹介した「色補正」によってブラックの状態に戻すことも可能です。
しかし、あえてこのまま使用し続け、今後どのような進化を遂げるのか共に過ごしていきたいと思っています。

今回はMORPHINE x incarnation Exclusiveモデル 「バルマカンコート」とレザーアイテムの見せる経年変化について紹介いたしました。

これからもレザーアイテムの魅力や、奥の深い経年変化について発信していきます。





「incarnation JAPAN」展示販売会のお知らせ

前回のご好評をいただいたこのイベントに引き続き、普段オンラインでしか触れることのできないincarnation JAPANのアイテムを、今回も実際に手に取ってご覧いただけます。
写真や画面越しでは伝わりきらない細部へのこだわりや素材の質感を、実際にご覧いただき、感じていただければと思います。

詳しい詳細は下記記事をご参照ください。
https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=3315







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「incarnation JAPAN」展示イベントのお知らせ Jan.2025

「incarnation JAPAN」展示販売会 の開催をお知らせいたします。


前回のご好評をいただいたこのイベントに引き続き、普段オンラインでしか触れることのできないincarnation JAPANのアイテムを、今回も実際に手に取ってご覧いただけます。


画面越しでは感じ取れない、素材の繊細な質感やデザインに込められたこだわりを、実際に目で見て、触れて、感じていただける特別な機会です。

ぜひこの機会にご体験ください。

HORSE LEATHER MOTO #4 LINED


HORSE LEATHER MOTO #4 LINED



HORSE LEATHER MOTO #4 LINED



取り揃えておりますアイテムは、これまでのインカーネーションの代表的なモデルを、現代に合ったサイジングにアジャストし、着丈や袖丈を最適化しました。

これにより、従来のクラシックな魅力を損なうことなく、現代的で洗練されたシルエットに仕上げています。

これらの日本向けにアレンジされたサイズ感のアイテムをご用意していますので、サイズ選びに不安がある方も、ぜひ試着していただく価値があります。


実際にアイテムを身にまとったときのフィット感や、身体に馴染むシルエットをしっかりと感じていただける機会です。



試着の際は、素材が持つ力強さや、ディテールが生み出す独特の表情、そしてincarnationが誇る独自のシルエットがどのように身体に馴染んでいくのか、その感覚をじっくりと味わっていただけることと思います。

HORSE LEATHER DOUBLE BREAST MOTO DARTS SHOULDER BLOUSON LINED JB-3


BUFFALO LEATHER DOUBLE BREAST MOTO DARTS SHOULDER BLOUSON LINED JB-3


豊富なサイズ展開と共に、あなたにぴったりの一着を見つけやすい機会です。


この特別な3日間、あなたのご来場を心よりお待ちしております。

HEAVY WEIGHT BABY CALF LEATHER HI COLLAR ZIP BLOUSON JB-5 TYPE 2


HEAVY WEIGHT BABY CALF LEATHER HI COLLAR ZIP BLOUSON JB-5 TYPE 2






イベント詳細

日程 : 2025年1月25日(土)・26日(日)・27日(月)

時間 : 12:00〜19:00

場所 : 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-32-23 エビアン広尾 B1F 
Garage EDEN 内  MAP


※路地の奥の地下に位置するショップです。
当日、場所が分かりづらい場合はお電話 (ショップ携帯:080-7091-1171) をいただければスタッフがご案内いたします。


お知らせ事項

ご予約・アポイント不要
お好きなタイミングでお気軽にお越しください。

営業時間外のご来店希望について
事前にご連絡いただければ、可能な限り対応させていただきます。


お問い合わせ

TEL:   03-6277-2947 / 080-7091-1171 (ショップ携帯)
MAIL:  jp-store@incarnation.jp
LINE:  (下記をご参照ください)





incarnation 25AW collection NEWS


現在、25AWコレクションの最終サンプル調整を行っております。
今週末には、イタリア・マルケ州で撮影を実施し、その後は来週パリへ向かう予定です。

今回の東京イベント期間中は、パリファッションウィークと同時期となります。
最新の2025AWコレクションのイメージなどを、東京のイベント会場にてリアルタイムでお届けする予定です。

インカーネーションならではの新たなデザインや素材の進化を、ご覧いただける機会ですので、こちらも楽しみにしていただければ嬉しいです。



ご不明点などがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
スタッフ一同、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。



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line

レザーの魅力を育てる|レザーウェアのメンテナンス・ケア方法


incarnation Japan ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は「レザーウェアのメンテナンス・ケア」についてご紹介させていただきます。

お持ちのレザーウェアが年々自分に馴染んできて、着るたびに味わいが深まっているのを実感されている方も多いのではないでしょうか。

レザーは、着用することで自然と体にフィットし、独自の風合いが生まれます。


それこそがレザーアイテムの魅力ですが、少しメンテナンスを加えて、さらに育てることもできます。
少しケアを加えることで、さらに深みが増し、より一層の味わいを楽しむことができます。


ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。

「メンテナンス・ケア」

incarnationにおけるレザーのお手入れを2種類の違ったケースのウェアを用いて、その工程を紹介します。
レザーにとって大切なメンテナンスやケアを知ることで、お気に入りのお持ちのレザーアイテムをより楽しんでいただけると思います。

併せて日本国内でもincarnation製品のケア等を承っているディーラー様も、紹介させていただきますので、
お持ちのレザーアイテムで何かお悩み等がございましたら、これを機にお気軽にお問い合わせください。

ケース1:「色の変化とその魅力」

こちらは、デザイナーが愛用しているダブルライダースジャケット。
素材はホースレザー、カラーは91N(ブラック・ノーマル)です。


仕上がった当初のカラー ブラックから、長年の着用を経て、透明感のあるツヤが生まれました。
この変化こそ、ベジタブルタンニンで鞣されたレザーにとって、まさに自然な進化とも言えるでしょう。

使い込むことで現れる表情の変化は、レザーが持つ本来の魅力を引き出し、さらに奥深い味わいを感じさせてくれます。

色の変化について

レザーの色の変化は、長年の着用による自然な経年変化です。

特にこちらのジャケットでは、太陽の光や風雨にさらされることで、レザーに含まれるタンニンや染料が反応し、色が徐々に変わっていきます。


初めは気づかないほどの微細な変化も、時間が経つにつれて「色の抜け感」として現れ、まるでその革が自分の一部のように馴染んでいくのです。

この変化こそが、レザーの持つ本当の魅力であり、育てる楽しみでもあります。

私たちがレザーを愛用する理由の一つは、この経年変化を感じながら育てていく過程を楽しめるからです。

特にベジタブルタンニン鞣し革は化学薬品を使わず、自然由来の素材で仕上げているため、このような変化が起こりやすいのが特徴です。

「革の変化」も着用者が作り上げた唯一無二の表情であり、生き様であり、革製品の持つ経年変化の魅力だと私は思います。

デザイナーのこのライダースジャケットも、まさにその証です。

このジャケットは、デザイナーの日常生活を物語っています。
彼はタンナーまで車で片道約3時間をかけて往復する生活をしており、その間にライダースを着て運転することも多く、愛用してきました。

特に、イタリアの日差しの強い地域での着用が重なることで、運転席側の日差しが当たる肩周り部分に、2年ほど経過してこのような色の変化が現れました。

日々の積み重ねと共にレザーは美しく変化し、その深みのある表情が一層引き立っています。このように、使い込むことでしか得られない味わいが、レザーの魅力をより深く感じさせてくれるのです。


レザーの変化を楽しむことは、そのまま着続けることで、ますます個性的で味わい深い表情を引き出すことができます。


しかし、もし「元の色味を取り戻したい」「もう少し深みのある色に仕上げたい」と感じることがあれば、色の補正を試みるのも一つの方法です。

これにより、元々の色味の深みが戻り、経年変化の風合いを残しつつ、さらなる魅力を引き出すことができました。
補正を加えたことで、レザーの持つ柔らかさや艶感が一層引き立ち、長年愛用する価値が増します。

このままでも魅力がつまったレザーウェアですが、今回はデザイナーの愛用のジャケットに少し色を補正していく様子をお届けします。


色補正

もし色補正をお考えの場合は、専用のレザーケアオイルを使い、丁寧に補色することをおすすめします。

今回は色の変化が全体的に目立ったのでincarnationの「OC」とも言われる加工を施しました。

ケアオイルは、レザーにツヤを与えるだけでなく、色が抜けた部分を均一に補正し、自然な深みを取り戻します。
こうしたケアは、レザーが持つ風合いを損なうことなく、さらに素晴らしい表情を作り上げることができます。

OCとは
OC(Overdye Color)の略で文字通り元の色の上から、さらに黒の染料とオイルを調合したモノを用いておこなう染色技法。

この加工を行うことにより、元の色をワントーン濃くしつつ、黒の染料によるムラ感が加わり、色に奥行きが生まれ、風合いのある表情に仕上がります。


今回は91N(ブラック・ノーマル)に補正をかけるため、OC加工をするので、調合の具合を濃いめにしております。


この作業は手作業で慎重に行なっていきます。
色の変化している箇所、あまりしていない箇所によって染色の具合を調整するからです。

生産される際の加工も革の具合を見ながら匙加減を変えたりOCでも薄め〜濃いめを用意して加工を行います。



色の変化が目立った左肩部分には、しっかりとオイルと染料を入れました。
(変化を分かりやすくするために、やや強めのライトを用いて撮りました。)

オイル、染料ともに、多く入れれば良いわけでは無く、入れすぎると染料の発色が不自然に光ってしまいます。
オイルは入りすぎるとベタ付きが出るので革の具合を見て調整することが大切です。


全体的にオイルを塗り終わったら1〜2日間程、ハンガーに掛けてオイル乾かし、じっくりと浸透させていきます。

仕上げアイロン加工

1〜2日経過し、オイルが馴染みましたので、ここから熱を加えて、表面を整えながらオイルを定着させていきます。


この作業で形や表情にも変化が出るので、しっかりとそのモデルに合わせたハリ感、フォルムを意識して、アイロンを施していきます。

このダブルライダースに関しては、襟部分のディテールにincarnationのダブルライダースのこだわりが詰まっている箇所なので、しっかりとハリと立体感が生まれるように意識して作業を行います。

仕上がり

これらの色補正・乾燥・熱加工の3段階のプロセスを得て、ケアが終わったライダースがこちらになります。


色の変化があった肩周り部分は他の部位を同じ色味に仕上がっています。
襟の部分は、立体感が生まれました。

Before/After

BEFORE (肩部分の色補正前)
AFTER(肩部分の色補正後)

Before/After

左がBefore 右がAfter

補正後のブラックは、深みが増し引き締まった印象。
着用によるシワ等は深く刻まれているので、アイロンによる熱加工でも損なわれることはありません。

ケース2:「オイル浮き 原因とケア方法」


こちらは筆者の私物のライダース。
カラーは91N(ブラック・ノーマル)

革の表面にオイルが浮いてきてしまっていて白く、くすんでいるような表情になってしまっています。

オイル浮きの原因

正式名称はブルーム(Bloom)という現象です。
ブルームとは、革に染み込んでいるオイルやワックス成分が、温度や湿度の変化により革の表面に浮き出してくる現象。

特に、ベジタブルタンニン鞣しの革や、オイルを多く含む革で発生しやすい傾向があります。
この現象を製品として意図的に作りだしているのがブライドルレザーになります。

対処法としましては、乾いた柔らかい布で丁寧に拭き取ります。

ひどい場合は、革用クリームやオイルを薄く塗り込むことで再度オイルを馴染ませ表面を布で拭く、ブラッシング、アイロン等で改善されます。


気温が一気に下がる季節に、温度の低い場所に保管したため、オイルが浮いている状態です。

オイル浮きだけなら上記で説明した通り拭き取るだけでも改善されそうなのですが、長年の着用によりオイルが完全に抜け、乾いた箇所があるので、今回はオイルも入れながら、丁寧にケアをして整えていきます。

アイロン加工

先ずは余分に浮いてしまっているオイルを再び馴染ませる為に全体的に軽くアイロンを掛けていきます。

この段階でオイル浮きは、かなり改善されます。

アイロン後、白浮きが解消しました

オイル入れ

アイロンを掛けて整えた表面にオイルを塗り込んでいきます。

incarnationでは加工の際に数種類のオイルを使用しております。

今回の革の状態は、元のカラーをワントーン濃くしつつ、革にじっくりと染み込むタイプのオイルを選択しました。
仕上がりはしっとりとした上がりになります。


全体的に少量のオイルを伸ばすように塗り込んでいきます。

このケアのポイントは、白くオイルが浮いてしまっていた箇所と、オイル感が無い部分には深くオイルが染み込ませるように塗り込むことです。

オイルを塗り終わったら、こちらも1〜2日間ほど、じっくりと乾かします。

仕上げアイロン加工

こちらも1〜2日間経過し、オイルが馴染んできました。
次に熱を入れてオイルを定着させます。

アイロンの温度は、温度が高すぎると革にダメージ(焦げたり、ひび割れる)を与えてしまいます。

もしご自身でアイロンをする場合は、見返しの見えない部分を低温から徐々に温度を上げて様子を見ながら試してください。


アイロンをかけるコツは温度が適切でも同じ場所に当て続けると、革が焦げて銀面の美しさが損なわれてしまうので、革の様子を見ながら、適度なスピードでかけていくことです。


特にレザーウェアの立体的な部分は、そのままアイロンを押し当てると均等に熱が入らないため、下から手の平を当てることで、手の平をクッションがわりにすると変なシワや跡が無く、思い描く立体感に仕上がります。

仕上がり

白くくすんだ部分がなくなり、トーンが均一になりました。

Before/After





表情が白くなっていてボヤけていた部分がハッキリして、形もシャキッとした立体感に復元。
写真だと伝わりにくいですがオイルが抜けていた革も、しっとりとした肌触りに仕上がりました。



国内のメンテナンスについて



上記のようなレザーウェアのケア・メンテナンスは、incarnation Japan で行っております。
お問い合わせフォーム、またはLINEからご相談ください。
LINEはブログ最後にご案内がございます。


レザーウェアのケア・メンテナンス取り扱う日本国内のディーラー様を紹介いたします。
イタリアにて研修を行い、オイル入れ・色調整、熱を入れる技術を習得していただきました。
ブランドで扱っているオイルを使用しますので、incarnation レザー製品のケアはご相談ください。

参考までに、
今回のケースですと、色補正の場合は10,000円、オイル入れは7,000円のメンテナンス・ケア料金となります。

レザーアイテムの状態によって料金は変わりますのでお気軽にお問い合わせください。

CABANE オーナー岡野様 
弊社ラボラトリーにて レザーウェアのオイルケア&色補正、ブーツのオイルケア


CABANE
〒910-0006 福井県福井市1-21-26 Dビルディング1F
TEL/FAX:0776-21-8112
営業時間: 11:00 ~ 20:00
定休日: 火曜日
https://www.cabane.jp/

Garage EDEN
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-32-23 エビアン広尾 B1F 
TEL/FAX:  03-6277-2947
営業時間:アポイント制になりますので下記URLからSHOP様にお問い合わせください。
https://www.garageeden.net/



こちらのケアやメンテナンスが可能なディーラー様は、今後も増える予定ですので、随時ご紹介いたします。


今回は2種類の違った症状のレザーウェアのケア・メンテナンス方法を紹介しました。

レザーアイテムは、様々な症状に対して正しいケアやメンテナンスを行うことで楽しみながら、末長く付き合っていけるのが魅力の1つだと思います。

BEFORE


AFTER


「incarnation JAPAN」特別展示イベントのお知らせ


普段オンラインでしかお届けしていないincarnation JAPANのアイテムを、実際に手に取って感じていただける展示販売会を開催します。

写真や画面越しでは伝わりにくい、素材の質感やデザインの細部をぜひご覧ください。
素材の力強さや繊細さ、独自のシルエットがどのように体に馴染むかを体験できる貴重な機会です。


さらに、イベント期間中はパリファッションウィークと重なります。
最新2025AWコレクションのイメージなどを東京イベント会場にてリアルタイムでお届けする予定です。

ぜひ、お楽しみにしていただければと思います。




イベント詳細

日程 : 2025年1月25日(土)・26日(日)・27日(月)
時間 : 12:00〜19:00
場所 : 〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿2-32-23 エビアン広尾 B1F 
Garage EDEN 内  MAP

※路地の奥の地下に位置するショップです。
当日、場所が分かりづらい場合はお電話 (ショップ携帯:080-7091-1171) をいただければスタッフがご案内いたします。




お知らせ事項

ご予約・アポイント不要
お好きなタイミングでお気軽にお越しください。

営業時間外のご来店希望について
事前にご連絡いただければ、可能な限り対応させていただきます。

お問い合わせ

TEL:   03-6277-2947 / 080-7091-1171 (ショップ携帯)
MAIL:  jp-store@incarnation.jp
LINE:  (下記をご参照ください)



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特別展示イベントや製品に関するご質問やお問い合わせもLINEでお気軽にご連絡ください。

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新年の始まりと25AWコレクション準備の裏側


あけましておめでとうございます。

昨年からスタートしたincarnation Japanブログを訪れていただき、ありがとうございます。

皆さまの温かいサポートを受け、2025年も新たな挑戦と成長を続けていきます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。



現在、新たなシーズンに向けて、私たちはコレクション発表に向けて大詰めを迎えています。

今回は、私たちの拠点であるイタリア・ペルージャからその様子をお届けします。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。



イタリア・ペルージャからの朝日です。


ペルージャはイタリア中部に位置し、ウンブリア州の州都として知られています。
街の地下にはローマ時代の遺跡がそのまま残されており、エスカレーターでそれらを眺めながら丘を登ることができます。

石造りの街並みと緑豊かな景色に囲まれた中世の建築様式に彩られ、まるで古代の王国のような不思議な魅力を持った街。

画像中央には修復中のサン・ドメーニコ教会(Basilica di San Domenico)が、右手の奥には、サン・ピエートロ教会(Chiesa di San Pietro)の鐘楼の尖塔が見えています。

荘厳な佇まいは街全体に落ち着きを与え、訪れる人々に深い印象を与える重要な歴史的建物。
朝日を浴びるその姿は、私たちにインスピレーションを与えてくれる特別な存在のひとつです。





イタリアの年末年始は、クリスマスの時期に休暇を取る人が多く、元旦を過ぎ、2日から仕事が始まります。

年越しの瞬間、イタリア各地で花火が打ち上げられ、街全体が祝祭感に包まれます。

そして、2日になると、お店がちらほらと開き出し、街の通りは朝から活気付き、新たな一年の始まりを告げるようなエネルギーに溢れます。

新たな1年が始まり、私たちも、このエネルギーを感じながら、2025年はさらに前進していきます。




25AWコレクション準備

新年を迎えたばかりの2025年ですが、
私たちはすでに次のシーズンである「25AWコレクション」に向けた準備を進めています。

コレクション発表までいよいよ大詰めを迎えております。




25AWコレクションのデザインや企画は、昨年の夏の終わりからスタートしており、秋に入るとパタンナーとの打ち合わせを重ねながら、形が徐々に見えてきました。

そして、12月には本格的な縫製や染め加工が始まり、今もその作業は進行中です。

特に重要な染め加工は12月下旬にスタートし、乾燥とともに慎重に進めています。
レザー製品の仕上がりには時間をかけるため、この年末も少しずつ乾かしながらの作業をしています。



年越しの間も手を加え続け、じっくりと仕上げています。この工程が、まさに“incarnationらしい”と言えるところです。

時間をかけて育むように、ひとつひとつのアイテムが完成へと近づいていきます。

レザー特有の風合いが生まれる瞬間でもあるため、この工程には特に注意を払っています。




そして、パリでの展示会がいよいよ待っています。

1月24日から27日まで、パリで開催されるファッションウィーク期間に、新作コレクションを発表します。
今年も、広めのアパートメントを貸し切り、単独で展示を行う予定です。

これは、私たちの「世界観」を感じていただきたいという想いからです。展示空間やその空気感、コレクションそのものに至るまで、incarnationの世界を存分に感じてもらえるように仕上げています。

また、日本からも取引先の皆さまが、パリ展やペルージャのアトリエにお越しになります。

パリのファッションウィークという特別な雰囲気の中で、世界中のブランドが集まる数日間に、私たちの最新コレクションを直接ご覧いただき、incarnationの魅力を感じていただけることを大変楽しみにしています。

イタリアのアトリエでも同様にコレクションを展示します。ここでは、職人たちが手掛ける製作過程や、こだわりを直接見て、聞いていただく予定です。



こうした取り組みを通じて、incarnation Japanおよびディーラーの皆さまから、incarnationの魅力をあらゆる角度で、そして詳細を発信できることを目指しています。

今年も、皆さまにとって特別な一年となるよう、全力で新作をお届けしていきますので、どうぞご期待いただければ嬉しいです。






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