デニムもまた、着て完成していく ― カーブレッグデニム JBP-1

incarnation Japanブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、以前のブログでも少し紹介したデニムについてお話ししようと思います。

26SSコレクションで登場した、こちらのデニムシリーズのパンツを日本へと納品させていただきました。
良い機会ですので、今回はデニムの洗いによって生まれる表情やサイズ感の変化について触れてみたいと思います。

レザー同様に、デニムも素材としての奥行きが深く、incarnationのレザープロダクトとの親和性がとても高い素材です。
そして育て方や向き合い方は、着る人の数だけ存在します。

今回は実際に私が実際に試着した際の着用感。洗う前後の違いなどを紹介しようと思います。

ぜひ最後までお楽しみください。

< 動画のご案内 >
デニムの着用感、サイズ感などを動画にまとめましたので、ご覧ください。
(現在、限定公開の動画ですので、お手数ですがクリックをお願いいたします。)

こちらをクリックしてご覧ください▶︎ https://youtu.be/8bsBtckP__I

セルヴィッジ デニム パンツ カーブレッグ JBP-1

SELVEDGE DENIM 15.5oz PANTS CURVED REG JBP-1 [art.81-6650]Col.T42

このデニムにはincarnationらしく、シルエットやパターンにはしっかりと意図が込められています。

脚のラインに対して直線的に落ちるのではなく、わずかに立体的なカーブを描くよう設計された構造。

そのため、履いた瞬間から「完成された形」を主張するのではなく、着用や洗いを重ねることで、徐々に輪郭が浮かび上がってくるデザインになっています。

この「余白」を残した設計こそが、
今回、紹介するリジットでの着用や洗いによる変化を、より面白くしてくれる要素です。

レザーと同じように、このデニムもまた着て完成していく」ことを前提とした一本。

ここからは、
・リジットの状態で着用した印象
・洗いを入れた後の変化

この2つを、一例として紹介していきます。

形を作る履き心地 ― リジットデニムの印象

まずは、一例として、リジット(ノーウォッシュ)の状態で着用した際の印象から触れてみます。

こちら納品・新品の際はリジットの状態。

履いた瞬間は、15.5ozのしっかりとした厚みを感じつつ、リジットデニム特有の張りがあり、脚を包み込むというよりも、シルエットをしっかりと「形作る」ような感覚があります。

動いたときの生地の返りには、まだ硬さが残り、どこか緊張感を伴う履き心地。

ただし、それは不快な硬さではなく、これから身体に馴染んでいくための余白をしっかりと残した状態と言えると思います。

リジット(ノーウォッシュ)着用1ヶ月

着用を重ねていくことで、履いた瞬間に生まれる皺が、そのまま「自分だけの経年変化」として刻まれていきます。

さらに洗いを加えることで、それまでに形成された皺や立体感が表情として強調されリジットから履き続けてきた変化が、よりはっきりと現れてくるのも特徴です。

リジット(ノーウォッシュ)着用1ヶ月

なお、これはあくまで一つの楽しみ方であり、最初から洗いを入れて着用するのも、もちろん選択肢のひとつです。

身体に沿う感覚へ ― 洗いを入れた後の変化

最初から洗いを入れて着用することで、サイズ感の調整や履き心地を重視する方も多いと思います。

洗いを入れることで、リジットの状態に感じていた生地の張りは落ち着き、履き心地は大きく変化します。

水洗い(リジットにて着用1ヶ月後) 

生地全体が水を通すことで力が抜け、脚の動きに自然と追随するようになり、リジットの際にあった緊張感は、程よいコシと柔らかさへと変わっていきます。

洗うことにより一時的ですが、生地が引き締まり縮むことによりインディゴの青が密集し、洗濯直後は濃くなったように見えます。

履いた際の印象としては、「形を作る」感覚から、「身体に沿う」感覚へ。

今回のように洗濯のみした場合、生地は柔らかくなりつつも、デニム本来の張りや輪郭はしっかりと残ります。

サイズ感としては、水洗いで体感でハーフサイズ程度の変化。
ウエストや腿まわりの硬さが和らぎ、日常的に履きやすいバランスへと落ち着きます。

表情も均一になりすぎることはなく、リジットの際に刻まれた皺や立体感が、より自然な陰影として現れてくる印象です。

水洗い(リジットにて着用1ヶ月後)

洗いを入れることで変化するのは、サイズ感だけでなく、生地の表情や落ち感も含まれます。

リジット時に生まれた皺や立体感は、洗いを経ることでよりはっきりと浮かび上がり、陰影としてデニムの表情に深みを与えてくれます。

水洗い(リジットにて着用1ヶ月後)

洗い前と洗い後に現れる、表情の違い

洗いを入れる前(リジット着用1ヶ月)と、水洗い後の状態を、写真で並べてご覧ください。

文章では伝えきれない、生地の張り・陰影・シワの出方・色の密度感の違いが、視覚的に分かりやすく現れています。

洗い前(リジット着用1ヶ月)
生地の張りが強く、シワは線としてはっきり残る印象。陰影がシャープに出ています。

水洗い後
水を通すことで生地全体の力が抜け、シワが面としてなじみ、さらに陰影に奥行きが生まれています。

左:洗い前(リジット着用1ヶ月) 右:水洗い後

左:洗い前(リジット着用1ヶ月) 右:水洗い後

incarnationにとって、新品時のレザーは完成品」ではなく、着る人の時間や動きによって育っていく存在です。

今回ご紹介したデニムも、その考え方はまったく同じ。

リジットのまま着用して皺を刻むのも、最初に洗いを入れて履き心地を整えるのも、
あるいは途中で洗いを加え、表情の変化を楽しむのも、どれも正解で、どれも間違いではありません。

レザーが着る人の癖や生活を映し出すように、デニムもまた、履く人の選択や向き合い方をそのまま表情に残します。

硬さから柔らかさへ、張りから落ち感へ、線から陰影へ。

その変化は、誰かと同じになることはなく、一着一着が、それぞれの時間を刻んでいきます。

「どう育てるか」ではなく「どう向き合うか」。

レザーと同じように、デニムもまた、着る人とともに完成していく存在です。

ぜひ、ご自身のペースで、このデニムがどんな表情へ育っていくのかを楽しんでいただければと思います。

[こちらの商品は下記のディーラーに取り扱いをしております]

CABANE
GULLAM
karaln
MORPHINE
Royal Flash Minami Senba

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

incarnation Japan 
WATANABE

26AW 日本展示オーダー会のご案内

日本での展示オーダー会を開催いたします。

今回は2月開催分のご案内です。3月の日程については、追って更新いたします。

写真や言葉だけでは伝えきれない、素材の重なりやシルエットの奥行き。
実際に手に取り、袖を通しながら、ゆっくりと向き合っていただける機会です。

incarnationの今を、体感していただけたら嬉しく思います。

GULLAM

◾️日程
2月22日(日)・23日(月・祝)

◾️会場
PANOF E-STUDIO
東京都渋谷区恵比寿南1-14-9 B1F

◾️お問い合わせ
GULLAM
TEL:03-6416-4700
Mail:shop@gullam.jp

※アポイント制
※デザイナー在廊
※ご来場を希望される方は、事前にGULLAM様へお問い合わせください

incarnation Japan

GULLAMでの開催に続き、incarnation Japan 主催の展示オーダー会も引き続き受付を行っております。

デザイナー本人が在廊し、素材やシルエット、着用感について直接お話ししながらご覧いただける機会です。

◾️会場
PANOF E-STUDIO
〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南1丁目14-9 アルティUn B02(恵比寿駅より徒歩5分)

◾️日程
2月20日(金)15:00〜20:00
2月21日(土)10:00〜20:00 (ご要望をいただき午前中の枠を増やしました)
※アポイント制
※デザイナー在廊


*現在の空き状況 (1枠:1時間〜1時間半を目安とさせていただきます)

20日 15:30〜18:00まで【1枠】

21日  10:00〜12:00まで【1枠】

21日 13:00~14:30【1枠】

21日 17:00〜19:00まで【2枠】


◾️ご予約・お問い合わせ
Mail:jp-store@incarnation.jp
担当:寺田

オフィシャルLINE(ブログ最下部にてご案内)からもお申し込みいただけます。

・お名前
・ご連絡先(携帯番号)
・ご希望日時(第1希望/第2希望)
※ご連絡をいただきましたら、24時間以内にお返事いたします

◾️オーダー・お支払いについて
ご注文の際には内金を頂戴しております。
お支払い方法は、オンラインでのクレジット決済、または銀行振込からお選びいただけます。

そのほかのご相談についても、当日お気軽にお声がけください。
詳細はご注文時にご案内いたします。

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ふと目にとめて、気軽に読んでいただける、そんな便りになれたらと思っています。

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冬の空気から生まれたムートン そして日本展示オーダー会へ

incarnation Japan ブログを訪れていただき、ありがとうございます。

パリでの展示会を終え、イタリアへ戻ってきました。

帰路のパリは予想以上に冷え込み、飛行機は3時間ほどの遅延。とはいえ、大きなトラブルもなく、無事アトリエに戻っています。

今回は、オンラインストアに掲載しましたムートンアイテムと、日本で開催予定の展示オーダー会についてご案内します。

最後までお付き合いいただければ嬉しく思います。


この冬に仕立てたムートン

カラーはブラック・オフホワイト。(オフホワイトは完売いたしました)

この企画を思い立ったのは、昨年の冬。
空気がいちばん澄んでいた頃でした。

年末、毎年恒例の棚卸しのタイミングで、裁断師から素材リストが届きます。

革はアトリエと裁断師のもと、それぞれ大切にストックされており、新しい革の他に、その中から次の制作につながるヒントを探します。

そのリストの中に、ふと目が止まった素材がありました。

トスカーナ ムートン。

すでに使い切ったと思っていた、わずかな残りです。
指先がかじかみ、首元にもう一段の温もりが欲しくなる季節。

このムートンは、まさに今こそ役に立つ素材ではないか。
そう感じたところから、今回の制作は始まりました。

作れる数だけ。

素材が許す分だけ。

そうして形になったのが、限定のムートンアイテムです。



トスカーナ ムートンという素材

今回使用しているのは、イタリア・トスカーナで仕立てられたムートンです。

トスカーナムートンの特徴は、毛質の細かさと密度の高さにあります。
毛足は長く、一本一本がしなやかで、触れたときに硬さが残らない。

見た目に反して軽く、空気をしっかりと含むことで、自然な保温性を生み出します。

厚みや重さで暖かさをつくるのではなく、素材そのものの質で温もりを感じさせるムートン。
日常の中で着用するとき、その違いがじわりと伝わるタイプの素材です。

毛足の色は、ダークグレーをベースに、先端のみブラックで染色しています。
単色ではなく、わずかな濃淡を残すことで、毛並みに奥行きが生まれました。

表面にはナッパ加工を施しています。
樹脂加工を行い、滑らかな質感に仕上げました。
革本来のしなやかさを残しつつ、耐久性と耐水性を向上汚れにくく、扱いやすいのも特徴です。

レザーウェアやファブリックアイテムとも自然に馴染むよう、全体のバランスを意識しています。


スカーフというより、首元のためのパーツ

SHEEP SHEARLING SCARF #3
詳細はこちら▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/sheep-shearling-scarf-

ダークグレーの毛足の先をブラックで染色。奥行きのある表情に仕上げたムートン。表がナッパ加工。

今回のスカーフは、一般的な巻き物とは少し異なる発想で設計しています。

ボタンで留める仕様とすることで、

そのまま留める

一つずらして留める

といった具合に、首元の表情を自在に変えられる構造です。

留め具部分には、薄く漉いたホースレザーを使用しています。

折り曲げやすく、形を作りやすい厚みに調整することで、ムートンのボリュームをコントロールし、スタイリングに奥行きを持たせています。

レザーブルゾンの上からでも、ファブリックコートの首元でも自然に収まり、防寒性だけでなく、冬の装いに静かな変化を添える存在を目指しました。


手元を包む、軽さと密度

SHEEP SHEARLING GLOVE SPAIRAL ZIP #2
詳細はこちら▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/sheep-shearling-glove-spairal-zip-3

長くしなやかな毛足と、シルクのように滑らかな肌触りが特徴のグローブ。
豊富な毛量が空気を多く含むことで、非常に軽量でありながら、高い保温性を発揮します。

真冬でも手元をしっかりと包み込み、着けていることを忘れるような感覚が残ります。

縫製には巻き縫いによるシームレス構造を採用し、ムートン特有の厚みを抑えることで、無駄なボリュームを削ぎ落としています。

そこにスパイラルジップを組み合わせることで、ミニマルな中に、わずかな動きと緊張感を加えました。

機能性と造形、その両立を意識した一双です。




残っていたからこそ、生まれたもの

数は多くありません。

あのリストにムートンが含まれていたから、この冬に形になりました。

意図的に量産したものではなく、素材との出会いがそのままプロダクトにつながった。

そんな一期一会の存在です。

寒さが続くこれからの季節、あなたの日常に、ほんの少しだけ特別な時間を添えられたなら嬉しく思います。

スタッフ 176cm / 64kg
スタッフ 176cm / 64kg

また、今回ご紹介したグローブとスカーフと、保管してきたストックの中から、ムートンジャケット、ムートンコートもオフィシャルサイト(イタリア)に掲載しています。

こちらの数量も限られております。サイズ感や着用感、素材の雰囲気について気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
スタッフが実際の着用したサイズ感、個々の気になる箇所のサイズなどございましたら、計測してご案内いたします。

お問い合わせ先:jp-store@incarnation.jp 


26AW 日本展示オーダー会のご案内

パリでの展示に続き、日本での展示オーダー会を開催いたします。

今回は2月開催分のご案内です。3月の日程については、追って更新いたします。

写真や言葉だけでは伝えきれない、素材の重なりやシルエットの奥行き。
実際に手に取り、袖を通しながら、ゆっくりと向き合っていただける機会です。

incarnationの今を、体感していただけたら嬉しく思います。

GULLAM

◾️日程
2月22日(日)・23日(月・祝)

◾️会場
PANOF E-STUDIO
東京都渋谷区恵比寿南1-14-9 B1F

◾️お問い合わせ
GULLAM
TEL:03-6416-4700
Mail:shop@gullam.jp

※アポイント制
※デザイナー在廊
※ご来場を希望される方は、事前にGULLAM様へお問い合わせください

GULLAMでは、展示を兼ねたオーダー会として、コレクション全体を俯瞰しながらご覧いただける構成となります。

今シーズンもオーナー石倉様がパリ展示会場にお越しいただき、現地でコレクションを丁寧にご覧いただきました。

長年にわたり、国内外のブランドと向き合ってきた視点から、素材の選び方、シルエットの捉え方、着用時のバランスまで含めて、現実的で説得力のある提案がなされます。

レザーをどう着るかではなく、どう生活に馴染ませるか。

GULLAMならではの距離感で、incarnationの一着と向き合っていただける場になるはずです。


incarnation Japan

GULLAMでの開催に続き、incarnation Japan 主催の展示オーダー会も引き続き受付を行っております。

デザイナー本人が在廊し、素材やシルエット、着用感について直接お話ししながらご覧いただける機会です。

一点一点をより細かく確認したい方には、こちらの場がおすすめです。

◾️会場
PANOF E-STUDIO
〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南1丁目14-9 アルティUn B02(恵比寿駅より徒歩5分)

◾️日程
2月20日(金)15:00〜20:00
2月21日(土)12:00〜20:00
※アポイント制
※デザイナー在廊

◾️ご予約・お問い合わせ
Mail:jp-store@incarnation.jp
担当:寺田

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・ご希望日時(第1希望/第2希望)
※1時間〜1時間半を目安にご案内いたします
※ご連絡をいただきましたら、24時間以内にお返事いたします

◾️オーダー・お支払いについて
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そのほかのご相談についても、当日お気軽にお声がけください。
詳細はご注文時にご案内いたします。


2026年秋冬という、まだ少し先の季節を思い浮かべながら。
incarnationの今を、日本で体感していただけたら嬉しく思います。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

incarnation Japan
TERADA






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incarnation 26AW コレクション|パリ展レポートと日本展示オーダー会

incarnation Japan ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

本日は、イタリア JESI (イェージ)での撮影を終えてから、パリ展 初日を迎えるまでのこと、そして日本の展示オーダーイベントのご案内をいたします。

ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しく思います。


26AW コレクション 展示会|パリ、初日を迎えて

JESIからパリへ、止まらなかった時間

サンプルの最終チェック。デザイナーが1着1着袖を通して確認。


日曜、JESI での撮影を終えた翌日、時間の感覚が少し曖昧になっていました。
撮影が無事に終わった安堵よりも、次に待っているパリ展の準備が頭の大半を占めていて、気持ちはずっと前のめりのまま。

各々が持ち場に戻り、画像編集、資料作成、サンプルの最終チェックを進めていきます。
時計を見ながら動いているはずなのに、時間が長いのか短いのか、その感覚すら曖昧になっていきました。

息をつく暇もない、という言葉の通り、まさにそんな数日でした。

仕上がったサンプルと資料を手にした時も、達成感より先に、これでようやくスタートラインに立てる、という感覚のほうが近かったように思います。

パリに戻るという感覚

空港からパリ市内へ。スーツケースを積んで移動。

飛行機を降り、空港のゲートを抜けると、いつものハイヤーのドライバーが待っていてくれました。

顔を見て軽く挨拶を交わす。
それだけで、張っていた気持ちが少しだけ緩みます。
ああ、パリに戻ってきたなと、頭より先に身体のほうが理解したような感覚でした。

向かったのは、いつものアパートメント。
空港に到着した頃は小雨が降り、空は重たく曇っていました。

このタイミングでの雨は少し気がかりでもありましたが、会場に着く頃には雨が止み、雲の切れ間から光が差し込んできました。

タクシーから。雨が止み、空が明るくなってきました。

ふと見上げると、虹が出ていて、信号待ちの人たちが一斉に空を見上げている。
街が一瞬だけ同じ方向を向いたような、不思議な時間でした。

空間を造るということ

ディスプレイを考えながら設営するデザイナー

夕方から夜にかけての設営。
今回も、広めのアパートメントを借りての展示です。

訪れた人に、服だけでなく、空間ごとブランドを感じられる空間。
その想いで、このアパートメントを探し当てました。

ラックを組み、サンプルを掛け、照明の角度を調整する。

空っぽだった部屋に革の匂いと、服の陰影が重なりはじめる。

コレクションが自分たちの手を離れ、外の世界に出ていく準備が整ったと感じます。

26AW collectionディスプレイが完成



そして初日。

初めてのバイヤー、長い付き合いのバイヤー、そして東京でお世話になっている先輩ブランドの方も、立ち寄ってくれました。

コレクションの前で足を止め、手に取り、自然と会話が生まれる。
いいね、という反応、このアイテムについてもう少し聞かせてほしい、という声。

そのやり取りの中で、12月、1月と続いていた緊張感が、ふっと身体から抜けていくのが感じました。

今は、ひと段落した夜。
静かになった空間でこの文章を書いています。

展示会はまだ始まったばかりですが、気持ちの置きどころが見えた、そんな感覚があります。

そして、やっとスタートラインに立てたと実感できたのも、初日のこの時間でした。

この始まったばかりのコレクションが、これから出会う人たちとともに、少しずつ熱を帯びながら、広がっていくことを願っています。



incarnation 26AW コレクション 展示オーダー会のご案内

デザイナー本人が会場に立ち、コレクションを直接ご覧いただきながら、素材やサイズ感についてお話しできればと思っています。

慌ただしい場ではなく、一着ずつ、実際に袖を通し、手に触れ、確かめる時間。

incarnation が大切にしているのは、その人の時間の中で、服がどう育っていくかということです。

お好みや着用のイメージを伺いながら、ご案内いたします。

日常から少しだけ離れて、今シーズンの空気を感じてもらえる場になれば嬉しいです。

開催概要

◾️会場
PANOF E-STUDIO
〒150-0022
東京都渋谷区恵比寿南1丁目14-9 アルティUn B02
(恵比寿駅より徒歩5分)

◾️日程
2月20日(金)15:00〜20:00
2月21日 (土)12:00〜20:00

※アポイント制
※デザイナー本人が在廊いたします

ご予約・お問い合わせ

ご来場をご希望の方は、下記内容をご明記のうえ、メールにてご連絡ください。

Mail : jp-store@incarnation.jp
担当:寺田

オフィシャルLINE(ブログ最下部にてご案内しています)からもお申し込みいただけます。

・お名前
・ご連絡先(携帯番号)
・ご希望日時(第1希望/第2希望)

※1時間〜1時間半を目安にご案内いたします
※ご連絡をいただきましたら、24時間以内にお返事いたします

ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

オーダー・お支払いについて

ご注文の際には内金を頂戴しております。
お支払い方法は、オンラインでのクレジット決済、または銀行振込からお選びいただけます。
その他、ご相談ください。
詳細はご注文時にご案内いたします。

2026年秋冬という、少し先の時間を、ほんの少しだけ手前に引き寄せるような感覚で。
incarnation の今を、実際に見て、触れていただけたら嬉しいです。

会場でお会いできる時間を、楽しみにしております。

本日も最後までご覧いただきありがとうございます。


incarnation Japan
TERADA




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incarnation 26AW コレクション 撮影|JESIという街で



incarnation Japan ブログをご覧いただき、ありがとうございます。

昨日1月18日、26AWコレクションの撮影を終えました。

まだ余韻が残っているうちに、撮影レポートをお届けします。
取り急ぎになりますが、当日の空気感をそのまま書き留めました。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。

霧の向こう側へ|JESI(イェージ)という街で

JESI(イェージ)の街 左下に大きな門のある、城壁に囲まれた街。街のシンボルはライオンです。

26AWコレクションの撮影が、無事に終わりました。
今回の舞台は、カメラマンの住む街 JESI(イェージ)で。

私たちの拠点であるペルージャ から東へ、およそ100km弱。
アドリア海に向かって山を越えた先にある、マルケ州の小さな丘の街です。

撮影場所(地元のメディア誌を発行するオフィス)にあったJESIの地図は、どこか手描きのような佇まい。
正確さよりも感覚が優先された線が、この街の成り立ちをそのまま映しているようでした。

音楽が盛んな土地柄で、大きなテアトロ(劇場)も街の中に自然と溶け込んでいます。

城壁に囲まれ、今も中世の空気を残すJESI。
フィレンツェのような観光地らしい派手さはないものの、暮らしと時間が静かに積み重なってきた街です。

早朝、山を越える

早朝は車も少なく、予定時間通りに到着


出発はまだ暗いうち。
ペルージャを出てすぐに山道へ入り、トンネルが連続します。

イタリア半島の背骨をなす山脈である、アペニン山脈を横断するこのルートは、イタリアの中でも独特の緊張感がある道。

トンネルの中では、人工の光だけが一定のリズムで流れていきます。
最後のトンネルを抜けた瞬間、視界が一変しました。

一面、霧。

まるで世界が一度リセットされたような景色です。

JESIに到着する頃には、その霧も少しずつ薄れ始め、街と気持ちが、ゆっくりと撮影に向かって整っていく感覚がありました。

言葉のいらない立ち上がり 設営の時間

チームが揃うと、現地に着くや否や、車からサンプル、ラック、撮影什器を一気に降ろします。

もう説明は必要ありません。
このメンバーで何度も撮影を重ねてきたからこそのテンポ。

気がつけば、あっという間に撮影可能な状態になっていました。
毎回感じますが、この設営の早さは、長年のチームの積み重ねそのものです。

スタッフの渡辺も、いつの間にか撮影は今回で10回目。
時間の流れの早さを感じつつ、設営や現場まわりを支えてくれる存在として、その頼もしさをあらためて感じました。

街に委ねながら、撮る

テアトロ(劇場)前の噴水で撮影

今回の撮影構成は、ルックは室内で、イメージとムービーはJESI(イェージ)の街中で。

この判断と段取りを、すべてカメラマンがオーガナイズしてくれました。
地元だからこそ把握している、光の入り方や時間帯、人の流れ。

現場に立っていて、背中を預けられる感覚があります。
それだけで、撮影の精度は一段上がる。

朝は曇り。霧が残り、光はフラットでした。

時間が経つにつれ雲が流れ、少しずつ日差しが差し込んできます。
それに合わせて、街の表情も静かに変わっていきました。

後半、まるで計算されたかのようなタイミングで、最高の光。

今回のコレクションテーマ、そしてテーマとして流していた音楽とも、不思議なほど噛み合います。狙っても、なかなかこうはならない。

だからこそ、自然がくれたご褒美のように感じました。

細く入り組んだ昔のままの路地もJESIの魅力

休憩はなし。気づけば8時間。

集中していると、時間の感覚は簡単に消えます。

ハンガーに掛かっていたサンプルが

身体に乗り、

動き、

街の空気をまとい、

ひとつの表情を持ちはじめる。

その変化を見届ける時間は、何度経験しても特別です。

次は、フランス パリへ

この26AWコレクションは、今週金曜からパリで展示会がスタートします。
今回の撮影で、コレクションは確実に次の段階へ進みました。

ぜひ、続報を楽しみにしていてください。
一緒に、このコレクションを育てていけたら嬉しいです。


incarnation Japan
TERADA




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静かな陰影を纏う|ヘビーウェイト・シープ スウェードベストの可能性

incarnation Japanブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、ヘビーウェイト・シープレザーを使用したベストの紹介いたします。

シープレザーの中でも今回はスウェードを用いています。
スムースレザーとは異なるスウェードならではの表情、そして「ベスト」というアイテムだからこそ生まれるレイヤードの可能性にも注目しました。

素材とデザインの魅力とあわせて、スタイリングによる印象の違いもお楽しみいただければ嬉しく思います。

< 動画のご案内 >
このベストのスタイリングなどを動画にまとめましたので、ご覧ください。
(現在、限定公開の動画ですので、お手数ですがクリックをお願いいたします。)

こちらをクリックしてご覧ください▶︎ https://youtu.be/0pL0BMzNlow

ヘビーウェイト シープレザー ハイカラーベスト

HEAVY WEIGHT SHEEP LEATHER HIGH COLLAR VEST LINED HV-1 [art.H15-2307]
詳細はこちらから▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-sheep-leather-high-collar-zip-vest-lined-hv-1

シープスウェードが生む、陰影の奥行き

あえて「毛足を潰す」という選択。

今回のベストに使用されているシープスウェードは、一般的なスウェードとは異なるアプローチで仕上げられています。

多くのスウェードが、毛足を立たせ、ふんわりとした起毛感を前面に出すのに対し、
このincarnationのスウェードは、あえて毛足を寝かせるように加工。

起毛にオイルを入れ熱加工を加えることにより表面には均一な柔らかさではなく、スウェードとは思えない光沢のある表情が生まれています。

一見すると落ち着いたマットな質感。
しかし角度や光の当たりかたによって、革の中に潜む濃淡が浮かび上がり、スウェードでありながら、どこか締まった佇まいを見せます。

逆から始まる、スエードの経年変化

この仕上げの面白さは、経年変化の現れかたが、一般的なスウェードとは逆であること。

着用を重ねることで、潰されていた毛足が少しずつ起き上がり、時間とともに表情が柔らかく変化していきます。

最初は陰影を強調した静かな表情。
そこから、使い込むことで毛足が動き、より立体的で奥行きのあるスウェードへと育っていく。

完成された状態から始まるのではなく、着ることで素材がほどけていく。
この逆転した経年変化こそが、incarnationのスウェードの最大の魅力です。

シープレザー スウェード ベストのデザインについて

このシープレザーベストは、一枚で着たときに成立するデザインバランスを持ちながらもコートやレザージャケットの下にレイヤードすることを想定して作られたモデルです。

全体の構成はミニマル。
無駄な切り替えや装飾を削ぎ落とし、縦のラインと、わずかなカーブだけでシルエットを形作っています。

フロントは比翼仕立て。
留めたときには、視線を遮る要素がなく、ベスト全体が一枚の面として立ち上がる構造です。

この「情報量の少なさ」が、モードな空気感を強く感じさせる大きな要因となっています。

アームホールは広すぎず、狭すぎず。
インナーを選ばずにレイヤードできる一方で、一枚で着た際にも輪郭がぼやけない、絶妙なバランスに設定されています。

着丈はやや長めに取られており、縦のラインを強調することで、スタイリング全体をすっきりと見せてくれます。

前を開けたとき、閉じたとき、そのどちらでも見えかたが変わるのが、このベストの魅力。

主張しすぎないのに、確実に「軸」になる。
そんな立ち位置を持ったデザインだからこそ、これからご紹介するコーディネートの振り幅を、自然に受け止めてくれます。

スタイリング#1 デニム × エンジニアブーツで見せる、直球の男らしさ

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


シープスウェードベストの魅力をストレートに感じられるコーディネート

足元はデニムとエンジニアブーツで、しっかりと男らしくまとめていますが、このスタイリングが単なる無骨に終わらないのは、合わせているシープレザーベストが持つ、モードな空気感があるからこそです。

一見すると男らしさ感じさせるデニムとエンジニアブーツの組み合わせに対して、このベストは線が細く、縦のラインを強調する構造。

フロントにかけて流れる独特のラインや、削ぎ落とされたディテールによって、スタイリング全体に緊張感とシャープな印象が加わります。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

シープレザーならではの柔らかさと、あえて毛足を抑えたスウェードの表情が、
エンジニアブーツの重さを受け止めつつ、スタイルを一段引き締めています。

男らしい要素が強い足元に対して、ベストが持つモードな雰囲気が中和剤となり、
無骨すぎず、かといって線が細くなりすぎない。

ラフと緊張感、その中間にある絶妙なバランスが、このコーディネートの魅力です。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

レザーベスト[art.H15-2307]
レザージャケット[art.11-41497]
パンツ[art.81-6430L] 26SS新作/春入荷予定
ブーツ[art.11R-71147/VB] オンラインサイト/販売中
https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-rg-leather-engineer-boots-eg-1-vibram-soles-goodyear-welt-piece-dyed


スタイリング#2 デニムを落とすことで生まれる、モード感

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

続いて紹介するのは、違うモデルのデニムを用いながら、足元の見せかたを変えたスタイリングです。

パンツは、ここ数年で登場してからご好評をいただいているモデル。
サイドに湾曲したパターンを持つカーブレッグパンツ。

腰まわりから腿にかけては程よく分量を持たせつつ、生地が自然に下へ落ちることで穿いたときにドレープが生まれ、特徴的なシルエットを描きます。
同じデザインでも生地が変わることで、落ち感や見えかたが大きく変わります。

このスタイリングでは、あえてブーツを裾で隠すように着用しています。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

足元の存在感を抑えることで、視線は自然に上半身へと引き上げられ、
シープスウェードベストの縦のラインや、ミニマルな構造がより際立ちます。
#1のコーディネートが「男らしさを強調する」スタイルだとすれば、こちら全体のシルエットで魅せるスタイル。

デニムという共通のアイテムを使いながら、ロールアップせず、裾を自然に落とすだけで、スタイリングの印象は大きく変わります。

シープスウェードベストの持つ静かで洗練された佇まいと、湾曲したパンツのラインが噛み合い、落ち着いた大人の雰囲気を感じさせるコーディネートに仕上がっています。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

レザーベスト[art.H15-2307]
レザージャケット[art.11-41077]
パンツ[art.81-6650] 26SS新作/1月下旬入荷予定
ブーツ[art.11R-71147/VB] オンラインサイト/販売中
https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-rg-leather-engineer-boots-eg-1-vibram-soles-goodyear-welt-piece-dyed

シープ スウェード ベストの可能性

今回ご紹介したシープスウェードベストは、
一見すると控えめでありながら、スタイリング全体の軸として確かな存在感を放つ一着です。

削ぎ落とされたデザインと、縦のラインを強調する構造。
そして、スエードでありながら静かに光を放つ表情を持つ素材感。

それらが重なり合うことで、レイヤードのためのアイテムに留まらず、
一枚で着たときにも主役として成立するベストに仕上がっています。

今回のコーディネートでは、デニムとエンジニアブーツを合わせた男らしいスタイルから、裾を落としてブーツを隠しシルエットを形成することで生まれる、モードな佇まいまで、同じベストを軸に、異なる表情をご紹介しました。

パンツのシルエットや、足元の見せかたを変えるだけで、印象が大きく変化するのも、このベストが持つ魅力です。

このシープスエードベストは、着る人のスタイルや気分に寄り添いながら、個性を引き立ててくれる存在です。

ぜひ、ご自身のワードローブの中で、どんな表情を見せてくれるのかを想像しながら、
この一着を取り入れてみていただければ嬉しく思います。



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新しい年、革と時間のその先へ


新年あけましておめでとうございます。

incarnation Japan のブログを訪れていただき、ありがとうございます。

時の節目に立つと、気持ちが少し澄んでくるのを感じます。


初めて袖を通したときの革の重み。

これから先の時間をともに重ねていく一着になる、そう感じた、あの瞬間。

私たちが手がけているレザーウェアは、着る人の動きや、その日の記憶と重なりながら、少しずつ輪郭を深めていくものだと考えています。

新しい年のはじまりに、incarnationがこれまでどんな場所で、どんな人たちと、どんな時間を重ねてきたのか。

今回はその輪郭を、少し辿ってみたいと思います。

ぜひ最後までご覧いただければ、嬉しく思います。

ペルージャの街から眺める日の出



incarnation の始まりにあるもの

コレクション撮影のフィッティング


incarnation は、デザイナーの 小川慶太 が、レザーメーカーでの経験を経て、2009年にイタリア・フィレンツェで立ち上げたブランドです。

拠点をイタリアに置いた理由は、明確でした。
革文化の歴史が特別なものではなく、日常の延長として根付いている場所であること。

素材を知り尽くした人々が、当たり前のように革と向き合っている環境で、自分の表現を試したかった。

老舗タンナーの協力を得ながら、日本的な繊細さとイタリアの実践的な手仕事を重ねるように、革の開発を進めてきました。


2010年秋冬からはパリで コレクションを発表し、世界へ向けて歩みを進めています。

その後、ペルージャへ拠点を移しながらも、制作の距離感や中心となる人の流れは大きく変えていません。

下地の開発から加工まで、イタリアの職人とともに行い、自分たちの手の届く範囲でものづくりを続けています。

そうした積み重ねの上に、現在の incarnation があります。

ブランドの歩みや制作背景については、下記ページにて詳しくご紹介しています。

ABOUT incarnation ▶︎ https://store-jp.incarnation.jp/pages/about

変わり続けるために、変えないこと

トスカーナの靴工場にて 


incarnation の制作の中心にいる職人は、創業当初から今に至るまで、ほとんど変わっていません。

同じ手、同じ場所で作り続けるという選択は、安定である一方、常に問いを伴うものでもあります。

慣れに頼れば、思考は止まる。
だからこそ私たちは、工程のひとつひとつで立ち止まり、いまのやり方が本当に最善なのかを、何度も問い直してきました。

変えるべきところは更新する。
けれど、最後まで自分たちの手を通す距離感だけは崩さない。

長い時間をともにするからこそ育つ感覚があります。
言葉を交わさずとも次に何をすべきかが伝わる距離感。
阿吽の呼吸と呼ばれる安定感は、積み重ねた時間の中でしか生まれません。


下地となる革づくりから、裁断、縫製、染色、加工まで。
工程ごとに試行錯誤を重ねながらも、すべてを自分たちの手の届く範囲で行っています。

思い通りにいかない結果や、失敗に見える出来事も、振り返れば次の表現への入口になる。
変化を恐れず、同時に、揺るがせない軸を持ち続けること。

その繰り返しの中で、incarnation のものづくりは続いています。
この考え方を支えている職人や工程については、下記ページにて詳しくご紹介しています。

ABOUT Manufacturing Method ▶︎https://store-jp.incarnation.jp/pages/manufacturing-method

革と向き合うということ

アトリエにて革の選定


革は、常にこちらの想定通りに応えてくれる素材ではありません。
乾きが遅れることもあれば、思いがけない表情を見せることもある。

だからこそ、私たちは革と向き合う時間そのものを大切にしています。



着る人の体温や動き、日常の空気と重なり合いながら、少しずつ輪郭を変えていく。

その時間までを含めて、一着の在り方だと捉えています。

初めて着たときの高揚感。

数回後に訪れる馴染む感覚。

一年後に鏡の前で気づく変化。

それらすべてを前提にしたものづくりです。

こうした考え方は、仕上げや加工以前に、どんな革を選び、どんな下地をつくるかという段階から始まっています。

私たちが向き合っているマテリアルと、その背景にある考え方については、下記ページにて詳しくご紹介しています。

ABOUT Material ▶︎ https://store-jp.incarnation.jp/pages/materials






新しい年が始まりました。
そしてまた、時間は止まらず動き出しています。

ふと袖を通したときに思い出す、あの感触。
初めて手にした日の記憶。

そして、これから先に重なっていく、まだ名前のない時間。

今、手元にある一着。
これから出会うかもしれない一着。

それぞれ違う時間と、違う思い出を刻んでいきます。

今年もまた、それぞれの時間の中で、incarnation との関係が重なっていく。
そんな一年になれば嬉しく思います。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。


incarnation Japan 寺田


26AW コレクション公開と今後のイベントについて

現在、アトリエでは次のコレクションに向けた最終段階を迎え、慌ただしい日々が続いています。

26AW コレクションは、1月23日よりパリにて公開、そして日本でのイベントは2月中旬からスタートする予定です。

詳細は順にお知らせしていきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。




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フードブルゾンをどう着るか。ヘビーウェイト・シープで組む4つのスタイル

incarnation Japanブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、シープレザーフードブルゾンのデザインを活かしたスタイルバリエーションをご紹介いたします。
(前回の記事は、こちら▶︎https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=5072

トップのブルゾンは同一のまま、パンツとシューズを変えることで生まれる印象やバランスの違いに注目しました。

デザインの魅力とあわせて、コーディネートによって変化する表情もお楽しみいただければ嬉しく思います。

< 動画のご案内 >
このブルゾンのスタイリングなどを動画にまとめましたので、ご覧ください。
(現在、限定公開の動画ですので、お手数ですがクリックをお願いいたします。)

こちらをクリックしてご覧ください▶︎ https://youtu.be/PYrjZc4nzf0


ヘビーウェイト シープレザー フードブルゾン

HEAVY WEIGHT SHEEP LEATHER HOODED BLOUSON LINED SJ-4 [art.H15-42037]

詳細はこちらから▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-sheep-leather-zip-front-hooded-blouson-lined-sj-4

ヘビーウェイト・シープがもたらす、静かな重厚感

このフードジャケットに使用されているのは、
一般的なシープレザーとは異なる、ヘビーウェイトのシープレザー。

シープ特有の柔らかさやしなやかさはそのままに、しっかりとした厚みと密度を持たせることで、着用した瞬間に「軽さ」よりも先に重みと存在感が伝わってきます。


柔らかいのに、芯がある。
身体の動きには素直に追随しながらも、シルエットを崩さず、形を保ち続ける。

このバランスこそが、ヘビーウェイト・シープならではの魅力です。


フードというカジュアルな要素を持ちながらも、全体の印象はあくまで静かで、研ぎ澄まされています。

切り替えは極力抑えられ、シルエットそのものが自然に立ち上がるよう設計された構造。

羽織った瞬間に、服が主張するのではなく、着る人の輪郭に沿って馴染む感覚があります。


フードは大きすぎず、小さすぎず。
被ったときも、下ろしたときも、首元に自然な立体感を残します。


立体裁断によって形成されたフードは、首から肩にかけてのラインを崩さず、

正面・横・後ろ、どの角度から見てもシルエットが安定しています。


フードを被ることで印象が大きく変わりすぎない点も、このモデルの魅力。

あくまで「静かな変化」に留めているところに、incarnationらしいバランス感覚が表れています。


フロントは斜めに走るジップラインによって、視線が自然に縦へ流れ、さらに比翼仕立てにすることで全体をすっきりと見せてくれます。

無駄な装飾を削ぎ落とした前身頃は、レザーそのものの質感や陰影がダイレクトに伝わる構成です。

ジップの開閉によって生まれる、わずかな表情の違いも、このジャケットならではの魅力です。

スタイリング#1  サルエルパンツでつくる抜け感

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


最初に紹介するのは、フードブルゾンにサルエルパンツを合わせたスタイリングです。

腰まわりにはしっかりと分量を持たせ、そこから膝にかけて一気に細くなる独特のシルエット。
この強い緩急が、レザーの重厚感とぶつかることなく、全体をスタイリッシュにまとめています。


足元には、あえて抜け感のあるカジュアルなスニーカーを合わせました。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


フードブルゾンとスニーカーは相性の良い組み合わせですが、そこにサルエルパンツを挟むことで、単なるカジュアルに寄らず、モードな空気感が加わります。

リラックスしすぎず、かといって力みすぎない。
ヘビーウェイト・シープの存在感を活かしながら、サルエルパンツとスニーカーで抜きを演出したコーディネートです。

レザーブルゾン[art.H15-42037]
パンツ[art.81-6292]
スニーカー[art.11VB-71207/RWH] 26SS新作/春入荷予定

スタイリング#2 ワイド サルエル で魅せる重厚なバランス

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


次に紹介するのは、フードブルゾンにワイドサルエルパンツを合わせたコーディネートです。

2タックによって腰まわりから股下にかけてしっかりと分量を持たせつつ、膝下から裾に向かって自然に絞りをかけたシルエット。

サルエル特有の落ち感はありながらも、#1のスタイリングよりも全体にボリュームがあり、足元からボリュームを出しています。

足元には、ビブラムソールを備えたエンジニアブーツをブーツアウトで合わせています。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


ワイドパンツに重量感のあるブーツを合わせることで、スタイリング全体にどっしりとした重心が生まれ、ヘビーウェイト・シープレザーの重厚感をさらに強調しています。

フードブルゾンの柔らかさと、パンツとブーツが持つ無骨さ。その対比が、力強いバランスを生み出しています。

レザーブルゾン[art.H15-42037]
パンツ[art.81-6572]
ブーツ[art.11R-71147/VB] オンラインサイト/販売中
https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-rg-leather-engineer-boots-eg-1-vibram-soles-goodyear-welt-piece-dyed



スタイリング#3 レギュラーフィットで構築的な印象に

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


次に紹介するのは、サルエル要素を持たせながらも、細くなりすぎないレギュラーフィットのパンツを合わせたスタイリングです。

股下部分は横方向に湾曲する独特のパターン構成。
サルエル特有の余白は残しつつ、実際に着用するとシルエットはすっきりとしており、これまでのコーディネートの中でも綺麗目な印象に仕上がっています。

腰まわりにわずかなゆとりを持たせながらも、全体のラインは直線的。
過度な緩急をつけないことで、フードブルゾンの持つ静かな存在感と自然に調和しています。

足元には、白鞣しのラグリンザートレザーを使用したポインテッドトゥ ブーツを合わせました。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用

ボリュームのあるパンツや無骨なブーツとは異なり、シャープで都会的な印象の足元を選ぶことで、スタイリング全体が引き締まり、洗練された雰囲気が際立ちます。

ヘビーウェイト・シープの重厚感を活かしながらも、軽やかで整った佇まい。
フードブルゾンを、より綺麗めに、日常的に取り入れたい方におすすめしたいコーディネートです。

レザーブルゾン[art.H15-42037]
パンツ[art.81-6670]
ブーツ[art.11BR-7887/L2VB] オンラインサイト/販売中
https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-whte-rg-leather-sz-1l-side-zip-long-lined-2leather-soles-vibram-piece-dyed


スタイリング#4 緩やかなAラインが生む、大人の男らしさ

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


最後に紹介するのは、緩やかなAラインを描くパンツを合わせたスタイリングです。

このパンツは、サイドに湾曲した独特のパターン構成を持ちながら、着用すると生地がすっと下に落ち、非常に綺麗なシルエットを描きます。

腰まわりには程よい分量を持たせつつ、裾に向かって自然に広がるラインは、
いわゆる誇張されたAラインシルエットではなく、落ち感によって成立する上品なバランスが特徴です。

スタッフ 176cm/64kg サイズ M 着用


足元には、グレーのレザーソールブーツを合わせ、全体を落ち着いたトーンでまとめています。

綺麗めな印象を持ちながらも、決して線が細くなりすぎない。
落ち着いた男らしさを静かに引き立てるコーディネートです。

レザーブルゾン[art.H15-42037]
パンツ[art.83-6710]
ブーツ[art.11V-71187/L2] 26SS新作/春入荷予定

今回ご紹介したシープレザーフードブルゾンは、ヘビーウェイト・シープならではの静かな重厚感を軸に、合わせるパンツや足元によって、まったく異なる表情を見せてくれる一着です。

同じブルゾンでありながら、スタイリング次第でここまで振り幅を持たせられるのは、
素材の密度とデザインのバランスが高い次元で成立しているからこそ。

フードというカジュアルな要素を持ちながらも、決して軽くなりすぎない佇まい。
日常の中で自然に取り入れながら、自分なりの着こなしを探っていく楽しさを感じていただければ嬉しく思います。

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眠る光が目覚めるとき|ベビーカーフ JB-5 TYPE 2 の育つ美しさ

incarnation Japanブログをご覧いただき、ありがとうございます。

今回は、以前にもご紹介したベビーカーフレザー・ハイカラーブルゾン JB-5 TYPE 2 を着用時の雰囲気と経年変化の魅力を中心にご紹介いたします。
(前回の記事は、こちら▶︎ https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=2536

おろしたての静かなマット質感から、着用を重ねるごとに艶が深まり、
革の奥底に眠る光が浮かび上がってくる—

ベビーカーフならではの抜群の質感が時間とともに育ち、その過程で生まれる美しい表情を、今回は着画を交えてご紹介いたします。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しく思います。


< 動画のご案内 >
経年変化などを動画にまとめましたので、ご覧ください。
(現在、限定公開の動画ですので、お手数ですがクリックをお願いいたします。)

こちらをクリックしてご覧ください▶︎ https://youtu.be/UyfepAiH_C8?si=L1YeXVEBgVF2pHbr

ヘヴィーウェイト・ベビーカーフレザー ハイカラーブルゾン JB-5 TYPE 2

HEAVY WEIGHT BABY CALF LEATHER HI COLLAR ZIP BLOUSON JB-5 TYPE 2 [art no.H16-41867]
詳細はこちらから▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-baby-calf-leather-hi-collar-zip-blouson-jb-5-type-2

静けさの中に宿る光 ベビーカーフの魅力

incarnation が誇るベビーカーフは、一般的なカーフとは明確に一線を画す特別な素材。

カーフレザーとは生後6ヶ月以内の仔牛の革を指し、繊維が細かく、しなやかで、成牛よりも圧倒的に流通量が少ないため、それだけでも希少とされています。

その中でも今回使用しているベビーカーフは、生後3ヶ月以内のさらに若い個体。
採れる面積が限られ、薄さ・軽さ・柔らかさに優れ、革としてのポテンシャルが非常に高い別格の存在です。

しかし、ただ若ければ良いわけではなく、生後3ヶ月以内の個体でも厚みがあり、繊維密度が高く、均一で傷が少ない個体は極めて少ない。
だからこそ、ベビーカーフは一般的なカーフよりもはるかに希少で価値ある素材とされています。

incarnation では、この中でも大きめで厚みのあるベビーカーフのみを厳選。
厚さを確保することで、着用時に刻まれるシワが深く、美しく立ち上がります。



これは長年の信頼関係を築いてきたタンナーとのつながりがあってはじめて実現できる選定で、一般市場ではまず出回らないレベルの貴重な原皮です。
それこそが、incarnation の中でも特別な素材 「ヘヴィーウェイト ベビーカーフレザー」です。

表面は、きめ細かく、手に取ると最初は、静かな佇まいを見せるマットな質感。

しかしその奥には、油分をしっかりと含んだ重厚さが潜んでおり、着用を重ねるごとに内部から艶が浮かび上がる、唯一無二の変化を見せます。

黒が光を吸い込むような静けさを持つのに対し、時間とともに目覚めるように深い光を返すようになるのは、この密度の高いベビーカーフならではの魅力です。

ベビーカーフのブラック(91N)は、染め上がりの段階から光を吸い込むような静かなマット感を持つカラー。
その落ち着いた佇まいは、ベビーカーフが持つ密度の高さと、内部にしっかりと宿る油分を素直に映し出しています。

実際にデザイナーが約2年着用した個体を見てみると、新品時のマットな表情は、革の内部に含まれた油分がゆっくりと動き、表面へ滲み出すことで 濡れたような深い艶 を帯び始めています。

約2年間着用したレザージャケットデザイナー私物

この独特の質感は、経年とともに生まれる艶のコントラストを際立たせ、光の角度によって 陰影の境目がくっきりと浮かび上がる のが大きな特徴です。

肘や肩まわりに刻まれた自然なシワは、着用者の動きそのものが形となったもの。
その一つひとつが立体的な陰影を生み、時間をまとった革だけが持つ奥行きを感じさせます。

2年間着用したレザージャケット(デザイナー私物)


光を吸い込むように静かで、それでいて時間とともにゆっくりと光を解き放つ。

こうした変化を味わえるのはベビーカーフならではで、この「目覚めるように艶が上がる過程」こそ、この素材の醍醐味と言えます。

左:着用2ヶ月 (スタッフ私物)  右:着用2年(デザイナー私物)
左:着用2ヶ月 (スタッフ私物)  右:着用2年(デザイナー私物)


着用時に立ち上がる表情 JB-5 TYPE 2 のデザイン性

ベビーカーフの魅力は、平面で見るだけでは伝わりきりません。
体を入れた瞬間に革の密度やハリが形となって現れ、JB-5 TYPE 2 のデザインが持つ立体感が際立ちます。

ハイカラーが生む、独特の陰影


首元を包み込むように立ち上がるハイカラーは、着用するだけで凛とした印象をつくり出します。深いブラックの中でわずかに光が拾われ、革の奥行きと造形の美しさ が際立ちます。

角度によってハイカラーの陰影が変わり、表情が豊かに見える。
新品でも立ち上がりが美しいのはベビーカーフの密度があるからこそ。

袖のカーブと肩周りのライン

JB-5 TYPE 2の特徴でもある袖のカーブは、腕を自然に下ろしたときのラインを美しく整え、そしてJBシリーズの代名詞でもある可動域、脇にマチを設けることで動き損なわずにシャープな印象をつくります。

肩から袖にかけて革がしなやかに落ち、動いた瞬間に 一瞬だけ光が走る。
この静と動のコントラストは、着用時にしか見えない魅力です。

袖のカーブが腕を細く見せ、立体感を際立たせる。
動作に合わせて革がしなやかに追随する。

背中一枚革の存在感

JB-5 TYPE 2は背中を贅沢に一枚革で仕立てており、ベビーカーフの表情を最も雄弁に語るパートです。
均一なマット感は、着用によって陰影が増し、ゆっくりと深みが生ます。


背中の一枚革は、光と角度でまったく別の表情を見せる。
着用するほどに奥行きが増す、ベビーカーフの醍醐味。

比翼仕立てが生む、研ぎ澄まされた佇まい

比翼仕立てにすることで、ジップを表に見せない、非常にミニマルな表情に仕上げられています。

ZIP、裏地、付属類まですべてブラックで統一したBLACK EDITION 仕様でありながら、さらにその上をいく徹底した黒が、このモデルの特徴です。

装飾や情報量を極限までそぎ落とすことで、ベビーカーフが持つ 質感・艶・陰影 がストレートに立ち上がり、素材そのものの魅力をダイレクトに感じられる構造になっています。

フロントを閉じたときの滑らかな面は、光を受けた瞬間の微細な艶の動きをより強調し、シンプルであるほど革の表情が際立つという、このモデルの本質を象徴しています。


経年への「予兆」が見える瞬間

新品の JB-5 TYPE 2 を着たとき、マットな黒の奥にふっと覗く薄い艶や、光が通った瞬間だけ浮かび上がる表情があります。

それは、まだ目覚める前のベビーカーフが静かに秘めている、未来の艶への予兆。

数ヶ月、そして数年と時間を重ねれば、今回ご紹介したデザイナーの個体のように、
濡れたような深い艶と、立体的な陰影がゆっくりと育っていきます。

このベビーカーフレザー・ハイカラーブルゾン JB-5 TYPE 2 は、着た瞬間の美しさだけでなく、これからどんな姿へ育っていくのかを楽しめる一着と言えるでしょう。

このベビーカーフが見せる変化を、ぜひご自身の手で育てていただければ嬉しく思います。

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冬を受け止める─コート JCP-4B の存在

incarnation Japan ブログを訪れていただきありがとうございます。

今回は、レザーのために設計されたコート JCP-4B についてご紹介します。

コンセプトは「incarnation のレザージャケットの上から羽織れること」。

今回は、スタッフ着用の実感をもとにこのコートについて掘り下げていきます。

これからコートを探される方、すでにレザーをお持ちの方、どちらにも参考になれば嬉しく思います。

ぜひ最後までご覧ください。

ハイネック フロントボタン コート JCP-4B

WOOL 100% HIGH NECK FRY FRONT BTN COAT LINED JCP-4B  [art.86-5450]

詳細はこちらから▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/wool-100-high-neck-fry-front-btn-coat-lined-jcp-4b

レザーの上から、自然に羽織るという選択

スタッフ 176cm 64kg サイズ M 着用

冬の朝、レザージャケットを着たまま外に出たいと思う日。

その上に何を羽織るか。

重すぎず、着膨れせず、それでいて寒さから守ってくれるもの。

今回ご紹介するこのコートは、まさにその問いへの答えのような一着です。

デザインの出発点は明確で、incarnationのレザージャケットの上から羽織れること。

袖を通すと、その意図がとても素直に伝わってきます。


このコートをかたちづくるもの

スタッフ 176cm 64kg サイズ M 着用

このコートの印象は、さまざまな要素の積み重ねによって成り立っています。

素材の選び方、線の引き方、パーツの重み、そして身体との関係。

それらが重なり合い、JCP-4Bという一着がかたちづくられている。

ここから、その内側を少しずつ紐解いていきます。


1|服の土台 – 密度が支える、素材の輪郭 –


表地には、ヴァージンウール100%のヘビーウェイト メルトンを使用しています。

綾織りで織り上げた生地を、しっかりと縮絨。

密度は高いのに、触れると意外なほど柔らかく、空気を含んだようなふくらみがあります。

重そうに見えて、着ると見た目より軽い。

このギャップは、数字や言葉よりも、実際に着たときに一番驚くポイントです。

裏地にはチェック柄がさりげなく入っていて、脱いだときに少しだけ表情を変えてくれます。

派手ではないけれど、きちんと意味のあるアクセントです。



2|見た目の輪郭 − 線で描かれた、コートの表情 –

スタッフ 176cm 64kg サイズ M 着用

このコートの顔は、バイアスに走るハイネック。

前を開けたときには、アシンメトリーなラインが生まれ、閉じると首元をしっかり包み込む。

比翼仕立てによって、前立ては極めてミニマル。装飾を足さず、線の美しさで勝負している印象です。

裾はわずかに前下がり。

このわずかな角度が、全体をシャープに見せ、動いたときにも軽快さを残してくれます。
レザーを
着用した時の無骨さを受け止めつつ、布帛ならではの品の良さがきちんとある。

レザーと共存するための、絶妙なバランスです。


3|意志のある一点 − 水牛ボタンに宿る重み –

ボタンには水牛の角を使用しています。

一つ一つ厚みがあり、それぞれ違った表情のあるボタンです。

水牛ボタンは、使い込むほどに表情が深まる素材。

艶が増し、色味に奥行きが出てくるのが特徴です。
天然素材ゆえ、すべて同じではない。

その個体差も含めて、このコートの一部になっていきます。

この重みのあるボタンを合わせることで、全体を引き締める意図を感じます。



4|確かな着心地 − 袖を通して分かる、設計の余白-

スタッフ 176cm 64kg サイズ M 着用

スタッフ176cm 64kgで着用。

見た目はすっきりしていますが、実際にはしっかりと余裕があります。

レザージャケットを中に着ても、肩や腕まわりが窮屈にならない。
ざっくりしたニットを合わせても、ラインは崩れません。


また、レザーの上から羽織った状態で、バッグを肩掛けできる余裕もあります。

動いたときに引っ張られず、日常の動作がそのまま成立。
コートを着ることで、スタイルを我慢する必要がない。

これは、実際に着てみないと分からない快適さです。

このコートは主役になりすぎない。
けれどレザーを日常で着続けるためには頼もしい存在です。

「冬でもレザーを着たいコートでシルエットを崩したくない」「長く使えるコートを探している」そう感じている方には納得感のある選択肢だと思います。

数シーズンで終わる服ではなく着るたびに、自分のスタイルに馴染んでいく服。

制作に携わった立場としてもこのコートはレザーと共に時間を重ねてほしい一着です。

まずは写真で。

できれば、その先で実際に袖を通してみてください。

レザーの上に羽織る理由を実感していただければ嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。



< 掲載アイテム>

WOOL 100% HIGH NECK FRY FRONT BTN COAT LINED JCP-4B  86-5450

詳細はこちらから▶︎https://store-jp.incarnation.jp/products/wool-100-high-neck-fry-front-btn-coat-lined-jcp-4b


取扱ディーラー
◾️CABANE  https://www.cabane.jp/ 
◾️GULLAM   https://gullam.jp/  *完売いたしました
◾️KARALN  https://www.karaln-shop.com/
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