26AWから続く物語、27SSコレクションへ。展示オーダー会のご案内


いつもブログをご覧いただき有難うございます。
incarnation Japanの渡辺です。

今回は、現在準備を進めている27SSコレクションの背景や魅力についてお伝えできればと思います。

また記事の最後には、7月開催予定の27SSコレクション展示オーダー会についてご案内しております。

最後までご覧いただければ嬉しく思います。

26AWから続く、ひとつなぎのコレクション


incarnationコレクションは、シーズンごとに独立したテーマや世界観を持って構成されていました。

しかし、今回の27SSは前回の26AWコレクションから続く、「ひとつなぎのコレクション」として構想しています。

26AWでは、デザイナーのルーツの一つでもある1970〜80年代のアメリカンカルチャーや音楽を表現していました。そこに影響を受けてきた様々な要素が込められています。

その世界観の中で「1シーズンだけで語り切れるものではない」と、デザイナーは思い立ったそうです。

ゆえに26AWと27SSを通して、一年をかけての「一つの物語」として構成されています。

デザイナーから聞く音楽の話し、そして映画の話しは、やはり70~80年代が多く、やはり好きなんだなという気持ちが凄く伝わってきます。

それを全面的に今回のテーマに掲げて作り上げるコレクションは私個人としても、どういった風になるんだろうかと昨年冬の時点からワクワクしていました。

私から見たそんな少し特別なコレクションの魅力を、今回のブログを通してお伝えできればと思います。

27SSコレクションに残る26AWの空気感

縫製工場の一コマ:トワル、型紙、そして制作途中のサンプル


今回サンプルを見ていて感じたのは、春夏らしさはありつつも、26AWの空気感を受け継ぐような重みのあるアイテムがあるなという印象です。

シーズンが変わるたびに、アイコン的なデザインやパーツは一新しますが、27SSは全く同じという感じでは無いですが、26AWからの続きを思わせるようなデザインやディティールがあります。

布帛は春夏らしい軽い生地も採用しており、26AWの秋冬とは異なる素材を組み合わせながらも、ひとつなぎの物語としてのコレクションとして成立していると感じています。

単純にシーズンが切り替わったというよりも、前回の続きの景色を見ているような感覚です。

26AWのイメージムービーの中で登場していたけど、26AWコレクションでは見られなかったアイテムも細かい修正や改良を加えて今回のコレクションに登場しております。

だからこそ、映像とコレクションが繋がっていることも1つ楽しめるポイントなのかなと思います。

私自身は90年代生まれで、70~80年代はリアルタイムでは無いカルチャーではあります。

でも、70~80年代は好きな年代でもあるからこそ、デザイナーの話しを聞きながら自分の中でこの年代のアイテムは、このような背景でこのシルエット、そしてこのディティールになっているんだな、と改めて知る機会にもなります。

そういった視点からも今回のコレクションには、面白みを感じています。

27SSコレクションを彩る色

タンナーの棚に並ぶ、色調合のためのボトル


incarnationのコレクションでは、そのシーズンごとにテーマカラーが存在しています。
今回の27SSコレクションでも、26AWから続く1970〜80年代のアメリカンカルチャーを背景に色が選定されています。

その中でも26AWは、秋冬らしく少し重みのある色だったなという印象でしたが、今回の27SSは、春夏らしさを感じられる鮮やか色もある印象です。

カラー選びの基となる革見本


そんな中、27SSコレクションのレザーアイテムの製品染めのため、早朝からタンナーへと足を運んできました。

この時期は、スケジュールがかなりタイトになっていて、タンナーを訪れたのは週初めの早朝でした。

実際に染色されたアイテムを引き取りに行くのは週末となっており革の染色には、あらためて時間がかかるな、と感じました。

同じレシピで染色しても、その時の革の状態によって表情や発色は少しずつ変わります。

だからこそ、デザイナーのこれまでの経験をもとに完成形を想像しながら色を決めていきます。

「この革なら、染め上がるとこんな表情になるはず」

そうした積み重ねの先に、incarnationらしい色が生まれているのだと思います。

また今回は、久々に使う素材の革もあります。
昔からincarnationを知られている方には懐かしいと思うと思います。

私が所属してからは、初めて使う革なので、近年にincarnationを知っていただいた方には、私と同じで凄く新鮮に映るのでは無いかと思います。

70~80年代は、いろんな意味で鮮やかな時代だなっという印象です。
それがイタリアの自然が生むレザーと染色で、どのような姿になるのかと、このブログを書いている今もドキドキしていて、完成が楽しみです。

まだ具体的に、どんな色味で、どんな素材があるかについてはお伝えできませんが、早く皆様にもお見せできるよう準備を進めていきますね。

コレクションが完成へ向かう時間

今回は、制作が進む27SSコレクションについて、紹介させていただきました。

サンプルや染色前のレザーを見ながら感じるのは、コレクションというものは完成した製品だけで成り立っている訳ではなく

どのような背景があり、

どのような素材を選択し、

そして、どのような色を表現するのか。

一つひとつの積み重ねが、最終的に一つのコレクションへと繋がっていっているなと改めて感じました。

まだ完成した姿を見ていないアイテムばかりですが、だからこそ完成を楽しみに待つ時間も、面白さの一つだと感じています。

これからも少しずつ形になっていく27SSコレクション。

また制作の様子や現場で感じたことをブログやメールマガジン等で、これからもお伝えしていきますので、このコレクションの完成を一緒に楽しみにしていただけますと嬉しく思います。

incarnation 27SS コレクション 展示オーダー会のご案内


7月より27SSコレクション受注会を開催いたします。

現在イタリアで制作が進んでいるコレクションを、どこよりも早くご覧いただける機会となります。

実際に素材に触れ、袖を通しながら、空気感を感じていただければと思います。

ぜひ会場で27SSコレクションをお楽しみください。


GULLAM 主催


GULLAM様主催の展示オーダー会では、ご自身では普段お選びにならないようなアイテムや色、サイズ感に触れる貴重な機会でもあります。

長く多くの国内外のブランドと向き合ってきたオーナー石倉様、そして伊藤様との会話の中で、自分では気付かなかった新しい視点や可能性が見えてくることも多くあると思います。

「似合うかどうか」だけではなく、「これからどう着ていきたいか」。

そんなことを考えながら、一着と向き合う時間も、このイベントならではの楽しみの一つだと思います。


◾️会場
PANOF E-STUDIO
東京都渋谷区恵比寿南1-14-9 B1F

◾️日程
7月11日(土) 13:00~19:00  
7月12日(日) 13:00~19:00  


【ご予約・お問い合わせ】
GULLAM
TEL:03-6416-4700
Mail:shop@gullam.jp
Web: https://gullam.jp/
※アポイント制
※詳細はGULLAM様にお問い合わせください


incarnation Japan 主催

incarnation Japanでは、日頃からイタリアでの制作に携わるスタッフがご案内いたします。

デザインだけでは伝わりにくい革の特性や仕上げの背景、実際に着用を重ねた際の経年変化についても、サンプルや私物を交えながらお話しできればと思っています。

オーダーの際にはサイズ選びだけでなく、どの革がご自身の着方や生活に合うのか、そんなことも一緒に考えながらご相談を承ります。

完成した瞬間だけではなく、その先の時間も含めて楽しんでいただける一着を見つけていただければ嬉しく思います。

◾️会場  
PANOF E-STUDIO  
〒150-0022  
東京都渋谷区恵比寿南1丁目14-9  
アルティUn B02  
※恵比寿駅より徒歩5分

◾️日程  
7月3日(金)16:00~20:00  
7月4日(土)10:00~20:00  
7月5日(日)10:00~19:00
※アポイント制  
※オーダーをお決めいただいた際は、後日オーダー内容をご確認いただいた後、デポジットとして商品代金の30%をお預かりしております。


【ご予約・お問い合わせ】
下記内容をご明記のうえ、こちらへご連絡ください。

Mail : jp-store@incarnation.jp
Official LINE  : https://lin.ee/xG5hgeg
担当:寺田

・お名前  
・ご連絡先(携帯番号)  
・ご希望日時(第1希望/第2希望)
※1時間〜1時間半を目安にご案内いたします。  

ご連絡をいただきましたら、24時間以内にお返事を差し上げます。
ご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。


今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

次回も引き続き、27SSコレクション続報をお届けしたいと思います。


incarnation japan
WATANABE


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時間がつくる表情 ― 私物から見る経年変化の魅力 ―

いつもブログをご覧いただき有難うございます。
incarnation JAPANの渡辺です。

本日は、経年変化について少しお話しできればと思います。

私は、時間とともに変化していくものに惹かれます。
それは革に始まり、リネンやデニムなどの自然由来の素材も同じです。

使い始めた瞬間が完成ではなく、日々使い続けることで少しずつ表情が変わり、自分だけのものになっていく。

そういった過程に、私は強く魅力を感じています。

もちろん、時には汚れたり傷が付いたりすることもあります。
しかし、それも含めて、その人が過ごした時間の記録であり、経年変化の一部だと思っています。

人も同じで、生きていく中で傷つくこともあれば、汚れることもある。

だからこそ、革に傷が付いたり汚れたりした時も、「これも自分らしいな」と、どこか微笑ましく感じています。

今回は、私たち自身が日常的に使用している私物を通して、そんな経年変化について少しお話ししてみたいと思います。

色づいていく革、積み重なる時間

まず紹介するのは、こちらのバッグ。
左は26SSコレクションで仕上がったばかりのバック、右はスタッフの寺田 が3年間ほど使用している私物になります。

ふと見た時に「良い感じに育っているな」と感じたので、今回少し借りて撮影させてもらいました。

このバッグの特徴は、製品染めや加工等をせず、いわゆる「ヌメ革」の状態で使用している点でしょうか。
ヌメ革自体は一般的にも馴染みのある素材ですが、incarnationでは意外と珍しい仕様です。

写真左側の新品と比べると分かりやすいのですが、使用を重ねることで少しずつ色が深まり、飴色へと変化していっております。

ヌメ革は特に日光や手の油分、日々の使用環境によって顕著に表情が変わっていくため、同じバッグでも育ち方は人それぞれ。

自分も近いうちにヌメ革のアイテムを、じっくりと育ててみたいな。と思いました。
今後の経年変化が、とても楽しみです。

穿き続けた2年間が刻まれたビンテージリネン

続いて紹介するのは、私自身が愛用しているヴィンテージリネンパンツです。

ちょうど1年前にも洗いをかけた際に紹介させていただきましたが、さらに1年が経過し、穿き始めて2年目となりました。

(以前の記事は、こちら▶︎https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=4337 )



私は数ある生地の中でも、リネンとデニムは特に好きな素材で、その理由はレザーと同じく、時間とともに表情を変えていくこと。
自然由来の素材ならではの個体差に魅力とロマンを感じます。

2年間穿き続けたこのパンツには、膝裏や股周り、ポケット周辺などに皺が刻まれ、色合いにも深みが生まれてきました。
どの皺も、どの色の変化も、自分が過ごしてきた時間そのもの。
新品の状態にはない、自分だけの表情へと育ってきているように感じます。

こちらのヴィンテージリネンシリーズは、ありがたいことに全国でも多くの方にお選びいただいております。

この記事を読んでくださっている方の中にも、実際に愛用されている方がいらっしゃるかと思います。
それぞれの生活の中で育ったレザーアイテムやヴィンテージリネンが、どのような表情になっているのか。
いつか皆様の一着を見せていただける機会があれば嬉しく思います。

10年という時が刻まれたカバン

最後に紹介するのは、私が現在も使用しているバッグです。

こちらは約7年前にデザイナーから譲り受けたもので、私の手元に来る以前の使用期間も含めると、おそらく10年ほど使われていると思います。

経年変化という言葉では収まらないほど使い込まれており、今では新品の頃の姿を想像する方が難しいかもしれません。

色も深く沈み込み、長い年月を経た革ならではの艶が生まれています。

私自身も様々なレザーアイテムを見てきましたが、「良いところまで育ったな」と感じる状態の一つです。

今回撮影をするにあたり改めて状態を確認してみると、部位によっては乾燥が見られたため、オイルメンテナンスを行おうと思いました。

せっかくの機会でしたので、今回はオイルを入れるだけでなく、色補正も行ってみました。

作業風景を見ると、一見すると真っ黒に染めているようにも見えます。
しかし実際には、オイルと染料を調合し、これまで積み重ねてきた風合いを消さないよう調整しています。

長年使い込んできた表情を残しながら、不足した油分や色味を補っていくイメージです。

オイルを入れる目的もあるので、細部も塗っていきます。

オイルと染料を塗った後は、一日乾燥させ、その後に熱を加えながらさらに革へと馴染ませていきます。

今回はオイルだけではなく染料もしっかりと入れたため、仕上がりは少しマットな表情に。
これまでの経年変化によって生まれた色の深みやムラ感はしっかりと残った仕上がりになりました。

左 補正前
右 補正後 

元の状態も個人的には、非常に気に入っていました。
それでも今回は「この先どのような変化を見せてくれるのだろう」という好奇心が勝り、補正を行ってみることにしました。
またここからどのような表情へ育っていくのか、とても楽しみです。

変わり続けることの魅力

今回は、私たちが実際に使用している私物を通して経年変化をご紹介させていただきました。

新品の状態にも良さはありますが、私自身は使い込まれた先にしか見られない表情にも大きな魅力を感じています。

革もリネンも、日々の使用の中で傷が付いたり汚れたりします。
けれど、それらは決してマイナスなことではなく、その人が過ごしてきた時間そのものだと私は思います。

今回紹介したアイテムも、最初からどれ一つとして自然由来の素材ゆえに同じモノは無く、さらに使う人や環境によって育ち方が変わり、それぞれが唯一無二の表情になっていきます。

だからこそ私は、こういった自然由来の素材に惹かれるのかもしれません。

この記事を読んでくださっている皆様のレザーアイテムやヴィンテージリネン等も、きっとそれぞれの時間を刻みながら育っていることと思います。

数年後、十年後にどんな姿になっているのか。
そんな未来も含めて、これからも皆様と一緒に楽しんでいければ嬉しく思います。

最後までご覧いただき有難うございました。

incarnation Japan
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レザーをもう少し近くで見るために

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japanの寺田です。

今回は、少しお知らせも兼ねて、最初に公開したYouTube動画について書いてみたいと思います。

テーマは、「夏にレザーを着る」

夏にレザーと聞くと、少し暑そうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。

実際、レザーは秋冬にたくさん着たいという方が多い印象です。もちろん、真夏の炎天下に無理をして着るものではありません。

ただ、夏へ向かう季節の中でも、合わせ方によってはレザーを自然に取り入れられる場面があります。

そして、スタッフの渡辺のように、季節に関係なくレザーを着たい、実際に年中着ているという方もいらっしゃいます。

そういう感覚は、私も少し分かります。

暑いかどうかだけではなく、今日のスタイルにレザーを入れたい日がある。

今回の動画は、そんな少し個人的な感覚も含めて、夏前のレザーの着方を渡辺と話しながら撮影しました。

夏にレザーを着るということ

incarnation Japan チャンネル
こちらからご覧いただけます。  


撮影したのはゴールデンウィークが過ぎた頃。

イタリアも少しずつ気温が上がり始め、日中は軽い服装で過ごせる日が増えてきた頃でした。

これからの季節の中で、レザーをどう着るのか。

重く見えすぎず、けれど軽くしすぎない。

レザーは一枚で存在感が出る素材です。

だからこそ、合わせ方によっては季節感よりも重さが先に見えてしまうことがあります。

反対に、夏らしく見せようとして軽くしすぎると、incarnationらしい空気が少し薄くなってしまう。

その間をどう作るか。

動画の中では、そうしたことをあまり難しく言葉にしすぎず、実際に着ながら話しています。

レザーを夏にどう合わせるか

今回の動画では、3つのスタイリングを見ながら、夏前のレザーの着方について話しています。

フード付きホースレザーベスト

ひとつ目は、フード付きのホースレザーベストです。

フードが付くことで、レザーの強さが少し和らぎ、カジュアルな空気が出ます。

レザーという素材はどうしても他の素材より重く見えやすいですが、フードがあることで、少し抜けた印象になるのが良いところです。

また、このベストは脇の開きがほどよく、空気が通りやすい作りになっています。

身体にぴったりと密着するレザーとは違い、内側に熱がこもりにくいので、夏も取り入れやすいのではないかと思います。

ハーフパンツと合わせても良いですし、ロングパンツで少し落ち着かせても良い。

足元をサンダルにすれば、さらに軽さが出ます。

レザーを着たいけれど、ジャケットまでは少し重い。

そんな日に、ベストという選択はとても試しやすいと思います。

ライトグレーのシープレザーシャツ

ふたつ目は、ライトグレーのシープレザーシャツです。

シープレザーは、レザーの中でも比較的軽やかで、柔らかさのある素材です。

呼吸する革と言われることもあるほど、レザー素材の中では春夏にも向いている印象があります。

今回のライトグレーは、白なめしの良さがきれいに出ていて、見た目にも涼しげです。そして、光を受けたときの表情がこれから季節の空気にも自然に馴染みます。

ライトグレーからグレーのトーンを重ねることで、暑苦しくならず、見た感じもすっきりと爽やかです。

レザーを着ているのに、重く見えない。でも、きちんとincarnationらしい奥行きは残る。

そのバランスが、ライトグレーのシープレザーにはあると思います。

ホースレザー ロングパンツを合わせたスタイル

そして最後が、ホースレザー・ロングパンツを合わせたスタイルです。

ここは、撮影前に渡辺と私と少しだけ意見が分かれました。

夏らしく見せるなら、バッファローレザーのミリタリー・ハーフパンツを合わせるのも良いのではないか。

最初はそんな話もしていました。

ハーフパンツを合わせると、見た目には分かりやすく軽さが出ます。
夏のレザースタイルとしても、入り口としては伝わりやすいスタイリングだったと思います。

ただ、渡辺はロングパンツを譲りたくなさそうでした。

彼は実際、夏でもロングパンツを穿いていることが多く、自分の中でスタイルがしっかりある人です。

今回も、夏だから分かりやすく軽く見せるというより、自分が普段から良いと思っているバランスをそのまま見せたい。

そんな思いが伝わってきました。

それなら、その感覚を大切にした方が良い。
そう思い、最後のスタイルはロングパンツでいくことにしました。

実際に合わせてみると、ゆとりのあるカットソーとロングパンツの組み合わせは、とても良いバランスでした。

軽さはありながらも、レザーだけが浮いて見えず、全体の中に自然に馴染んでいる。

夏らしさに寄せすぎない。でも、重く見えすぎない。

そのあたりの空気が、今回の動画には自然に出ていると思います。

服の合わせ方に出る、その人らしさ

今回改めて感じたのは、服の合わせ方には、その人の考え方が出るということです。

同じレザーを使っていても、軽く見せたい人もいれば、あえて少し重さを残したい人もいる。

季節感を大切にする人もいれば、自分のスタイルを崩さないことを大切にする人もいる。

渡辺がロングパンツを選んだのも、まさにそういう部分だったと思います。

夏だからこうしなければいけない、というより、自分が普段から大切にしているバランスをそのまま出す。

そこに、その人らしさがあるのだと思います。

レザーは存在感のある素材なので、着る人の考え方や、らしさも出やすいアイテムです。

だからこそ、正解をひとつに決めるより、いろいろな着方を見ながら、自分ならどう着るかを楽しんでいただけたら嬉しいです。

今回の動画では、そんなことも含めて撮影しています。
実際に服を見て、着て、感じたことをそのまま会話しているような内容です。

まだ始めたばかりで、編集も手探りですが、まずは私たちらしく続けてみたいと思っています。
いつものブログとは少し違う、incarnation Japanの空気も感じていただけたら嬉しいです。

お時間のあるときに、気軽にご覧ください。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

incarnation Japan
TERADA


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incarnationの製品染めとは|レザーに新たな表情を吹き込む理由

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japan TERADAです。

イタリアへ戻り、少し落ち着いた頃。
ふと、2月から3月にかけて日本各地で開催したオーダーイベントのことを思い返していました。

その中で印象的だったのが、incarnationのレザージャケットを実際に着て来てくださる方がとても多かったことです。

着込まれることで生まれた皺。
艶の変化や、レザーの奥行き。

同じモデルでも、それぞれまったく違う空気を纏っていて、とても印象的でした。

「あの時のブルゾンが、こういう表情になっているんだ」

そんな新鮮な感覚が、どこか心に残っていました。

そして、その時に感じたことを、あらためてデザイナーに聞いてみました。

なぜincarnationのレザーは、着込むことで独特な表情へ変化していくのか。

そして、なぜ製品染めという方法にこだわり続けるのか。

今回は、そのことについて少し触れてみたいと思います。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しいです。

完成してから染めるということ

製品染め前のレザージャケット

incarnationでは、多くのレザーウェアが「製品染め」によって仕上げられています。

一般的なレザーウェアは、革を染めてから裁断・縫製へ進むことが多いですが、製品染めでは、服として完成した後に丸ごと染色を行います。

 縫い目の沈み方。
 パーツごとの色の入り方。
 革の厚みや部位による表情の差。

もちろん、簡単な工程ではありません。

製品染直後のレザーウェア

製品染めでは、染色の工程を通して、革それぞれの質感や表情が少しずつ引き出されていきます。

そのため、染色後の状態を見ながら細かな調整を重ね、時間をかけて仕上げていきます。

そんな話をしている中で、作業中のデザイナーに改めて聞いてみました。

「なぜ、製品染めを続けるのか」

すると、手元のレザーを触りながら、「揃いすぎず、その革らしさが残るから」と。

さらに、「少し揺らぎがある方が、その人の着方や動きが入ってくる」とも話していました。

革そのものが持つ質感や揺らぎを残しながら、着る人によって少しずつ表情が変わっていく。

incarnationでは、そうした自然な変化を大切にしているとあらためて感じました。

レザーが持つ、本来の表情

ホースレザー 一枚一枚確認してから、裁断へ

デザイナーに、改めて「なぜそこまで製品染めにこだわるのか」を聞いてみました。

すると、こんな言葉が返ってきました。

「製品染めって、革そのものの表情が、そのまま出てくるんだよね」

完成後に丸ごと染色を行う製品染めでは、革本来の個体差や質感が、そのまま表情として現れてきます。

一方、一般的なレザーでは、表面を整えながら均一な仕上がりへ近づけていくものも多くあります。

それに対して製品染めでは、革ごとの質感や色の入り方の違いが、そのまま残りやすい。

ホースレザー カラー:54N-OC (オレンジ+OC加工:奥行きとムラを掛ける加工)


だからこそ、incarnationでは、「PRIMO(プリモ)」と呼ばれる、革そのものの質感や繊維の表情を活かせる、等級の一番高いレザーを選び続けています。

製品染め後の革はその時の湿度や温度も吸収しながら、少しずつ表情を変えていきます。

一見すると均一に見える黒でも、光の当たり方によってわずかに色が揺らぎ、奥行きのある表情が現れる。

「均一じゃないからこそ、色にも奥行きが出る」

という言葉通り、光の当たり方や革の厚み、部位ごとの繊維の違いによって、色の濃淡や揺らぎも少しずつ生まれていきます。

一色で塗りつぶされたようなトーンではなく、見る角度や着込んだ時間によって表情が変わっていく。

その不均一さもまた、製品染めならではの魅力なのかもしれません。

製品染めとパターンの関係

肩から上腕にかけて一枚の革で繋げたモデル 11B-41587CS

incarnationでは、肩から袖までを一枚で繋げた「ワンピースアーム」の構造を多く採用しています。

これは単なるデザインではなく、製品染めによって生まれる表情を、できる限り自然に繋げるため。

パーツを細かく分けすぎると、染め上がった時に革の表情や艶の流れが途切れてしまうことがあります。

そのため、腕まわりなど表情を繋げたい部分は、できる限り剥ぎを減らしてパターンを構成しています。

デザイナーも、「パーツを分けすぎると、革の流れが止まってしまう」と話していました。

製品染めという加工方法は、加工だけで完結するものではなく、パターンや構造にも大きく影響しています。

腕1本を一枚の革で繋げたモデル 11-41117

レザーの表情をどう見せるか。

その考え方は、デザインだけでなく、服の構造そのものにも繋がっているのです。

肩から上袖まで一枚の革で繋げたモデル 11-41467(JB-2)

変化していく、その先に

今回、日本でお客様が実際に着込まれているレザーを見る中で、改めて感じたことがありました。

incarnationのレザーは、完成した瞬間が終わりではなく、そこから少しずつ表情を変えながら、その人の空気に馴染んでいくということ。

同じモデルでも、着る人によって皺の入り方も艶の出方も異なり、それぞれがまったく違う存在になっていました。

製品染めは、効率だけを考えれば決して合理的な方法ではありません。

けれど、均一ではない表情や、着込むことで生まれる変化。

その途中にある美しさを大切にしているからこそ、incarnationは製品染めという方法を選び続けているのだと思います。

今回のブログを通して、incarnationのレザーが持つ空気感や、その背景にある考え方を少しでも感じていただけたら嬉しく思います。

メルマガでは、今回のような制作背景に加え、イタリアでの日常や出来事などをお届けしています。

ご興味のある方は、ぜひご登録いただけたら嬉しいです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

incarnation Japan
TERADA

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incarnation ホースレザーサンダル –製品染めが生む重厚感と夏の足元

いつもブログをご覧いただき有難うございます。
incarnation JAPANのWATANABEです。

イタリアもすっかり気温が上がり、日中は半袖で過ごしている方々も増えて参りました。

こうした季節になると、自然と足元も軽くなっていきます。

今回は、incarnationの夏の装いとして高い人気を誇るレザーサンダルを紹介します。

私自身、サンダルはラフになりすぎてしまったり、どうしてもスタイリング全体が軽く見えてしまうという理由から避けがちです。
特に普段からレザーシューズやブーツを履くことが多い方ほど、同じ感覚を持たれている方も多いのではないでしょうか。

そんな中、今回紹介するサンダルは、夏でもレザーを楽しみたい方にこそおすすめしたい一足です。

incarnationらしい重厚感を残しながらも、単なる夏用の軽い履き物ではなく、ブーツの延長線上として履ける一足。

製品染めによって生まれた深い陰影や皺感、そしてincarnationのレザーならではの存在感を持ちながらも、足元には程よい抜け感が生まれています。

今回は、その中から印象の異なる2型を紹介いたします。

ホースレザー ハイカットサンダル SD-1  

HORSE LEATHER SANDAL SD-1 BLACK HIGH CRAPE SOLES PIECE DYED col.BLACK(91N) [Art.11V-7997/CBH]

まず紹介するのは、こちらのハイカットモデル。

一般的なサンダルのイメージとは異なり、足首まで包み込むようなデザインとなっており、ぱっと見ではブーツのような重厚感を感じさせます。

一方で、側面とつま先部分には大胆なカッティングが施されているため、実際に履くと程よい抜け感が生まれ、夏のスタイリングにも自然に馴染みます。

個人的にも、この重さと軽さのバランスが非常にincarnationらしいと感じています。

また、こちらのモデルはソールにも程よい厚みを持たせており、単なる軽快なサンダルではなく、レザーシューズの延長として履ける存在感があります。

さらにバックジップ仕様にすることで着脱もしやすく、見た目だけでなく実用性も兼ね備えています。

実際にショーツと合わせても足元だけが軽くなりすぎず、スタイリング全体にしっかりとした重心を残してくれます。

ハイカットモデルは履き込むことで甲部分から足首周りにかけて波打つような美しい皺が刻まれていきます。製品染め特有の陰影もより深く変化していきます。


夏場でもincarnationレザーの存在感を楽しみたい方に、非常におすすめしたい一足です。

VEST[https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-sheep-leather-high-collar-zip-vest-lined-hv-1]
Pants[PANTS ARMY MP-1C ]

ホースレザー ローカットサンダル SD-1

HORSE LEATHER SANDAL SD-1 BLACK LOW CREPE SOLES PIECE DYED col.BLACK(91N) [Art.11V-71217/CBL]

こちらは先ほどのハイカットタイプに比べ、より軽快な印象に仕上げられたローカットモデル。

足首周りをすっきりと見せながらも、甲部分はしっかりとレザーで覆うことで、サンダル特有のラフさを抑えています。

どちらのモデルのサンダルにも言えることですが、露出を抑えたバランスだからこそ、素足で履いてもラフになり過ぎず、普段ブーツやレザーシューズを履かれる方でも違和感なく取り入れられる印象です。

側面の大きなカッティングによって程よい抜け感が生まれ、夏らしい軽さを感じさせながらも、incarnationらしい重厚な空気感はしっかりと残されています。

また、ソールには両モデル共通でVibram社製のブラック クレープソールを採用。

クッション性と安定感を兼ね備えており、長時間の着用でも疲れにくく、見た目の軽さに反してしっかりとした履き心地を感じていただけます。

ソールの無骨さを抑えたマットな質感とレザーの相性が良く、足元全体を自然にまとめ上げています。

ハーフパンツとの相性はもちろん、フルレングスのパンツと合わせた際にも、裾から覗くレザーの存在感が程よいアクセントとなり、夏場のスタイリング全体を引き締めてくれる一足です。

VEST[https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-sheep-leather-high-collar-zip-vest-lined-hv-1]
Pants[PANTS ARMY MP-1C ]

夏でもレザーを履くということ

一般的なサンダルのような軽快さを持ちながらも、incarnationのレザーサンダルには、どこかブーツに通じる空気感があります。

製品染めによって生まれた深い陰影や皺感、履き込むことで柔らかく馴染んでいく革の表情。
そして、足元に程よい抜け感を与えながらも、スタイリング全体を崩さない重厚感。

夏になると、どうしてもレザーから離れてしまう方も多いかもしれません。

しかし、このサンダルは夏でもレザーを楽しみたいという方にこそ、ぜひ一度試していただきたい一足です。

ショーツやクロップドパンツはもちろん、フルレングスのパンツと合わせた際にも、足元に自然な存在感を与えてくれます。

これからの季節だからこそ楽しめる、incarnationならではのレザーの表情。

ぜひ、この夏のスタイリングに取り入れてみてください。

最後までご覧いただき有難うございました。

incarnation Japan
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[こちらの商品は下記のディーラーにて5月下旬頃に入荷予定でございます]

CABANE
GULLAM
MORPHINE




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ダブルライダース、もう一つの形 — JBM-1

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japan TERADAです。

ゴールデンウィークに入りましたね。
少しゆったりとした時間を過ごされている方も多いのではないでしょうか。

こちらイタリアでは、5月1日は祝日。
街には穏やかな空気が流れ、気持ちの良い天気が続いています。

そんな季節の中で今回ご紹介するのは、26SSコレクションの中でもひとつの軸となる一着。

HORSE LEATHER STAND COLOR W/BREAST MOTO LINED JBM-1

incarnationでは毎シーズン、レザーを軸としたライダースが展開されますが、今季はこれまでとは少し異なる視点で構築されたモデルが登場しています。

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しいです。

ダブルライダースという完成された形と、その先

HORSE LEATHER STAND COLOR W/BREAST MOTO LINED JBM-1 [art.11-42127]

ダブルライダースと聞いて、多くの方が思い浮かべるのは、重なるフロントの構造や、存在感のあるパーツ。

どこか無骨で、力強さを感じるあのバランスではないでしょうか。

完成されたスタイルとして、長く愛されてきた形。
その魅力は、いまも変わることがありません。

スタッフ 176cm 63kg サイズ M 着用

では、26SSはどうか。

incarnationにおいても、ダブルライダースは重要な存在です。
シーズンごとに、その時の空気を反映してきました。

今季は少し角度を変えたようなアプローチが取られています。

強さをそのまま表現するのではなく、一度整理し、再構築する。

その結果として生まれたのが、このモデルです。

構造によって生まれる違い

このモデルを見たとき、最初に感じるのは、どこかモードの空気をまとった印象かもしれません。

まず視線が向かうのはネック周り。
そこから少し引いて全体を見たとき、ややシャープに引かれたウエストラインが、全体の雰囲気を形づくっていることに気づきます。

一般的なダブルライダースとはどこか違う。
すぐに理解できるというよりも、一度目を止めてしまうような存在です。

フロントはセンターにジップを配置しながら、内側にダブルの構造を持たせています。
さらに比翼によって表面をフラットに整えることで、印象を一度落ち着かせています。

閉じたときには静かに。
開いたときには、ダブルライダースらしい表情が現れる。

その切り替えが、この一着に奥行きを与えています。

ネックはあえて高さを抑えたスタンドカラー。
首元をすっきりと見せながら、全体のバランスを整えています。

そこにシャープなウエストラインが重なることで、シルエットは自然と引き締まっていきます。

どこか一つが主張しているわけではない。
けれど全体として見ると、確かにこれまでのライダースとは違って見える。

その違いは、装飾ではなく、構造の組み立てから生まれています。

このデザインに重ねたホースレザー

このモデルには、いくつか選択肢のあるレザーの中から、ホースレザーが選ばれています。

例えば、バッファローのような力強さを前面に出す素材もありますが、今回のように構造を整えたデザインに対しては、やや強さが先に出てしまう印象があります。

一方で、シープのようにしなやかな素材も魅力的ですが、今回のシャープなラインを支えるには、少し柔らかさが前に出る。

そうしたバランスの中で、このデザインに重ねられているのがホースレザーです。

張りとしなやかさをあわせ持ち、形を保ちながらも、着用によって自然に馴染んでいく。着用を重ねることで皺が入り、艶が増し、少しずつその人の形に沿っていく。

製品染めによる奥行きも加わり、一着ごとに異なる雰囲気が生まれます。

今回のように構造を整理したデザインだからこそ、素材の変化や質感がより際立つ。

ホースレザーの持つバランスが、このシルエットに自然と収まっていきます。

日常の中で着ることで、自然と輪郭が出てくる。

そんな付き合い方ができる素材です。

定番を知っているからこそ、気になる一着

スタッフ 176cm 63kg サイズ M 着用


改めてこのモデルを見たとき、いわゆるダブルライダースとは似ているようで、どこか違う印象を受けます。

スタンドカラーのバランス。
センターに配置されたジップ。
フラットに整えられたフロント。

どれも強く主張しているわけではないのに、全体として確かに違う空気を持っています。

その違いに自然と目がいくかどうか。

少し視点を変えた選択肢として、こういった一着に触れてみるのも面白いかもしれません。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

incarnation Japan
TERADA


[こちらの商品は下記のディーラーに取り扱いをしております]

CABANE
GULLAM ※完売となりました。
ROYALFLASH





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ホースバットレザーのバッグ3型 ― それぞれの表情と魅力

いつもincarnation BLOGをご覧いただき、誠にありがとうございます。
incarnation JAPANのwatanabeです。

イタリアも柔らかな春の空気から、少しずつ初夏の気配を感じる季節となってまいりました。

そんな中、今回ご紹介するのは、ホースバットレザーを用いたバッグ3型です。

革小物は通年通してホースバットとは、馬革の臀部にあたる部位で、コードバン層を含んだ密度の高い素材として知られています。

一般的にコードバンと聞くと、革靴やウォレットのような、整った艶やかな表情を思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし今回のバッグは、そうしたイメージとは少し異なります。

ホースバット特有の力強さや繊維密度を持ちながら、さらに製品染めを施すことで、深い陰影やムラ感、使い込まれたような表情が加えられています。

上品でありながら、どこか無骨さもある。

相反する要素が同居した、incarnationらしいバッグに仕上がっています。

今回はその中から、印象や用途の異なる3型をご紹介いたします。

ホースバットレザーという素材

今回のバッグに使用されているのは、incarnationの得意とするホースレザー。
その中でも独特な存在感を放っているホースバットレザーを使用してます。

馬革の臀部にあたる部位で、繊維密度が高く、しっかりとしたコシと強さを持つ素材です。
その内部には、いわゆるコードバン層が含まれており、馬革ならではの滑らかさと重厚感をあわせ持っています。

一般的には、この部位からコードバン層のみを取り出し、革靴や小物へ使用されることが多くあります。

しかし今回は、そのホースバット全体を贅沢に使用することで、コードバン層の力強さだけでなく、周囲の繊維質な表情や自然そのものの力強さまで活かした仕上がりとなっています。

均一で整った美しさというよりも、よりダイレクトに素材本来の個体差や奥行きを楽しめるレザーです。

さらに、そこへ製品染めを施すことで、色の濃淡や陰影が加わり、一点ごとに異なる表情が生まれます。

確かな雰囲気を持ちながら、日々使用していくことで艶や柔らかさも増していく。
時間とともに変化していく過程も、この素材の大きな魅力だと思います。

印象の異なる3型のバッグ

同じホースバットレザーを使用しながらも、形が変わることで印象や用途は大きく異なります。

素材の迫力を前面に感じられるモデルから、日常に馴染みやすいモデルまで、それぞれに異なる魅力があります。

今回は3型を順にご紹介いたします。

ホースバットレザー トートバッグ WB-2

HORSE BUTT LEATHER BAG TOTO WB-2 UNLINED WITH MEDIUM PURSE AND GLASSES CASE PIECE DYED [Art.13M-9770]


https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-butt-leather-bag-toto-wb-2-unlined-with-medium-purse-and-glasses-case-piece-dyed

最初に紹介するのは、横長のバランスが印象的なジップトートタイプです。

一見するとミニマルで静かな佇まいですが、このバッグは形以上に、革そのものの表情が強く印象に残ります。
贅沢に一枚革を用いて構成されており、素材そのものの表情と存在感をよりストレートに感じていただけます。

ホースバット特有の密度ある繊維感に、製品染めによる陰影やムラ感が重なり、黒一色でありながら単調さは一切感じさせません。

光の当たり方によって鈍く艶を返す部分もあれば、乾いたようにマットに沈む部分もあり、見る角度によって表情が変わっていきます。

中央付近には、コードバン層ならではの滑らかさと硬質な質感がうっすらと現れており、同じ一枚の革の中に異なる表情が共存しています。
荒さや不均一さまでも魅力として成立しているところに、この素材ならではの面白さがあります。

このホースバッドレザーWBシリーズは、内部にはあえて仕切りなどを設けない仕様に。
その代わりに同じ革、全く同じ個体を使用した小物入れとアイウェアケースが付属しており、実用性もしっかりと備えています。

小物入れはスマートフォンが無理なく収まるサイズ感で、鍵やイヤホンなど細かな荷物をまとめるのにも便利です。

余計な装飾を加えず、必要な機能を付属品で補うことで、バッグ本体のミニマルな佇まいを崩さず使い勝手を高めた仕様となっています。

静かな佇まいでありながら、素材によってしっかりと存在感を感じさせてくれます。

ホースバットレザー トートバッグ WB-1

HORSE BUTT LEATHER BAG TOTO WB-1 UNLINED WITH SMALL PURSE AND GLASSES CASE PIECE DYED [Art.13M-9760]

https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-butt-leather-bag-toto-wb-1-unlined-with-small-purse-and-glasses-case-piece-dyed



先に紹介した横型モデルと共通する空気感を持ちながら、こちらは縦長のバランスで仕上げられたサイズ違いのような一型です。

使用されているホースバットレザーは、一点ずつ表情が目に見えて異なります。

部位ごとの繊維密度や皺の入り方、もともとの細かな傷跡などが、そのまま個性となり、同じ品番であっても全く同じ表情にはなりません。

さらに製品染めを施すことで、その個体差がより際立ちます。

染料の入り方や陰影の出方に差が生まれ、深みのある黒の中にも濃淡やムラ感が現れます。

また、製品染めの工程を経ることで金具類にも独特のくすみや鈍い変化が加わり、新品でありながら長年使い込まれたような空気感を纏っています。
革だけでなく、金具まで含めて完成する表情と一体感、これは製品染めの大きな魅力かと思います。

使い始めた瞬間から雰囲気があり、さらに使い込むことで持ち主ごとの痕跡が重なっていく。
そんな魅力を持ったバッグです。

ホースバットレザー トートバッグ WB-3

HORSE BUTT LEATHER BAG TOTO WB-3 UNLINED WITH MEDIUM PURSE PIECE DYED [Art.13M-9780]


https://store-jp.incarnation.jp/products/horse-butt-leather-bag-toto-wb-3-unlined-with-medium-purse-piece-dyed

最後にご紹介するこちらのモデルは、今回紹介した中で唯一のフラップ付きタイプ

気持ち縦長のフォルムに、しっかりとしたマチを備えることで、見た目以上の収納力があり、書類やノートPC、日々必要な荷物まで無理なく収めることができます。

開口部はフラップ仕様となっており、中身を覆う安心感と、クラシックな鞄らしい落ち着いた印象を兼ね備えています。

形そのものはビジネスシーンでも使えるようなクラシックなトートバックとなっています。
しかし、そこに製品染めされたホースバットレザーを掛け合わせることで、整い過ぎない独特の空気が生まれています。

ビジネスバッグのようでいて、そうではない。
クラシックでありながら、どこか荒々しい。

その絶妙な良い意味での違和感こそ、このバッグの魅力です。
日常使いとしての実用性を持ちながら、持つだけでしっかりと個性が残る。
今回の3型の中でも、最も幅広い場面で活躍してくれるモデルではないかと思います。


関連記事

ホースバットを持つ時間─トートバックWB-3 が見せる表情

今回、紹介した3型のバッグは、どれも同じホースバットレザーを使用しながら、見比べてみると異なる表情があり、それぞれにしかない魅力と良さを感じていただける仕上がりとなっています。

このホースバッドシリーズは一頭の馬から生まれた革を余すことなく活かすというincarnationの思想の元に生まれています。


それぞれの革が持つ皺や傷跡、繊維の流れ、厚みの違い。


同じものが二つとない素材だからこそ、デザイナーと職人が一枚ごとの表情を見極め、最も美しく映えるよう裁断と配置が行われています。

完成した瞬間からしっかりとした存在感を持ちながらも、日々使い込むことで艶を増し、少しずつ柔らかく馴染んでいきます。

バッグは季節を問わず、通年で取り入れていただけるレザーアイテムです。

春夏の軽装にも、秋冬の重厚な装いにも自然に寄り添ってくれます。

だからこそ、これからの季節にも取り入れやすく、今まさにおすすめしたいアイテムのひとつです。

ぜひご自身の生活の中で日常的に使いながら、その変化も含めて楽しんでいただければと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 incarnation Japan  
WATANABE

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先週水曜に4月号をお届けいたしました。
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足元に生まれるバランス|フロントジップスニーカー FZ-2

いつもBLOGをご覧いただき、ありがとうございます。 
 incarnation Japan TERADAです。  

4月に入り、日中は軽やかに過ごせる日も増えてきました。
スタイルもスニーカーを取り入れたくなる季節です。

今回ご紹介するのは、  HORSE LEATHER SNEAKER FRONT ZIP FZ-2。  

今週末より店頭に並ぶ予定のモデルになります。  

この時期になると、足元とのバランスをどう取るかを考えることが増えてきます。  

軽さを出したい一方で、  どこか落ち着いた質感や、レザーならではの雰囲気も残しておきたい。  

そんな気分に、すっと馴染んでくる一足だと感じています。  

ぜひ最後までご覧いただければ嬉しいです。  

HORSE LEATHER SNEAKER FRONT ZIP FZ-2

ホースレザー フロントジップ スニーカー FZ-2  [art.11V-71167]

シンプルな中にある設計  

このモデルを見たとき、まず感じるのは「シンプル」という印象です。  

シューレースではなく、フロントに配されたジップ。  

無駄な装飾を削ぎ落とした、ミニマルな面構成。  

しかし、一般的なスニーカーが持つ、ラフさや軽快さとは少し違う空気感があります。  

なぜそう見えるのか。  

それは、このスニーカーが  いわゆる「軽さ」や「動きやすさ」といった要素だけで作られていないからです。  

全身のバランスの中で、どう見えるか。  

そこまで含めて設計されている一足です。


履いたときに感じるバランス

スニーカーの魅力といえば、軽快さやスポーティな印象。

でもこのモデルは、少し違う空気をまとっています。

足元に、自然と重心が定まる感覚。

ローカットが軽く抜けるように見えるのに対して、ミッドカットは足首をほどよく包むことで、足元にまとまりをつくります。

高さがありながら主張しすぎず、全体のバランスが静かに整っていく設計です。

厚みのあるフラットソールは、地面をしっかりと捉える安定感。

足元が軽くなりすぎず、スタイリングが自然と決まりやすくなります。

実際に足を入れると、その印象はよりくっきりしてきます。

甲まわりがしっかりホールドされ、フォルムも引き締まって見える。

重心を持ちながらも、メリハリのあるバランスが生まれます。

ラフになりすぎず、構えすぎることもない。

軽さと落ち着きのあいだにある、ちょうどいい一足です。

フロントジップがつくる表情

このモデルを象徴するのが、フロントに走る一本のジップ。

機能的な着脱のしやすさはもちろん、このディテールが生むのは何より「見え方の変化」です。

紐がなくなることで、面がすっと整う。中央に縦のラインが一本通る。それだけで、足元の印象が引き締まります。

スニーカー特有のカジュアルさをほんのり抑えながら、すっきりとしたたたずまいへ。

小さな違いですが、全体のバランスに確かな影響を与えるディテールです。

ホースレザーがもたらす表情

素材には、incarnationの定番素材であるホースレザーを採用しています。  

新品の段階から、すでにわずかな表情が現れているのが特徴です。  

うっすらと入った履きジワや、細かなムラ感。  

まだ完成されすぎていない、余白のある状態。

ここから履き込んでいくことで、少しずつ深みが増していきます。  

いわば、未完成から完成へと向かっていく素材です。  

レザーウェアと同じように、  時間をかけて馴染んでいく感覚を、足元でも楽しんでいただける一足です。  

スタイリングについて

このスニーカーは、足元をあえて見せるようなスタイルと相性が良いと感じています。

ハーフパンツや、パンツの裾をイン、またはロールアップ。

足首まわりを少し見せるような合わせ方。

ミッドカットの高さとボリュームが活きて、足元に自然とバランスが生まれます。

カットソー[https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1-olive]
パンツ[BUFFALO LEATHER PANTS ARMY LINED MP-1C SHORTS]

そして、レザーアイテムとの相性。

通常のスニーカーだと少し軽く見えてしまう場面でも、このモデルであれば無理なく馴染みます。

素材の質感がつながることで、全体に統一感が生まれる印象です。

VEST[https://store-jp.incarnation.jp/products/heavy-weight-sheep-leather-high-collar-zip-vest-lined-hv-1]
Pants[PANTS LONG DARTS SARROUEL]



全身のバランスを支える一足  

このスニーカー FZ-2 は  それぞれの要素が独立しているのではなく、  すべてが全身のバランスを前提に組み合わされています。  

その結果として、  足元にしっかりとした重心と存在感が生まれています。  

普段のスニーカーとは、少し視点を変えてつくられた一足です。  

実際に足を通していただくと、  その違いもより感じていただけるかと思います。  

ぜひ一度、手に取ってご覧ください。  

最後までご覧いただきありがとうございました。

 incarnation Japan  
TERADA  


[こちらの商品は下記のディーラーに取り扱いをしております]

B2nd Sapporo
CABANE
GULLAM

各ディーラー ウェブサイト には順次掲載予定です。




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樹脂に閉じ込めた色、解き放たれる時間 ― レジナートホースとニット

いつもincarnation BLOGをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation japan WATANABEです。

各地で行われたincarnation 2026AW コレクションイベントも大変多くの方にご来場いただき無事に終えることができました。
足を運んでくださったみなさま、この場をお借りして改めてお礼を申し上げます。
今後もイベントを精力的に開催していく予定ですので、今回ご都合が合わなかった方も、ぜひ次の機会にご覧いただければ嬉しく思います。

そちらと並行してイタリアでは生産が進んでいた2026SSアイテムたちが続々と仕上がり昨日にイタリアから日本へと旅立っていきました。

今回は、その中でも一際、存在感を放つレジナートホースレザーについて少し触れてみようと思います。

そして以前にも紹介したイベントのために制作された一度きりの限定アイテムのニットについても、しばらく私自身が着用して感じた感想を改めて語ってみようと思います。

ぜひ、最後までお楽しみください。

ホース レジナートレザーショールカラージャケット

HORSE RESIN LEATHER SHOWL COLLAR JACKET JJK-4 [Art.11D-1253]

今回ご紹介するレジナートホースレザーは、レジン(樹脂)を用いた仕上げが特徴の素材です。

ベースとなるホースレザーに対して、樹脂を重ねることで独特の奥行きと表情が生まれています。
このベースレザーのカラーととレジンの色の組み合わせによって印象が、印象が大きく変わるため色の設計そのものにセンスが問われる素材でもあります。

今回のモデルでは、ボルドーまたはオレンジに染め上げた革の上に、黒の樹脂を乗せることで仕上げられています。

左からオレンジ&ブラック(54x91R) ボルドー&ブラック(52x91R)

光の当たり方や動きによって、下地の色がわずかに浮かび上がり、単調ではない深みのある表情を見せます。

樹脂によって表面には独特の緊張感が生まれ、ホースレザー特有のコシや反発と相まって、しっかりとした存在感を感じられる素材です。

ボルドー&ブラック(52x91R)

また着用を重ねていくことで、表面の変化も少しずつ現れていきます。
経年変化により下地の色味がより樹脂の隙間から目立つようになり唯一無二のコントラストが生まれます。

オレンジ&ブラック(54x91R)

最初から完成された表情を持ちながらも、着ることでさらに目に見えて変化していきます。
この二面性も、このレジナートレザーの魅力のひとつだと思います。

シンプルなデザインであっても、素材そのものが持つ力によって、強い印象を残す一着に仕上がっています。

重さの中に余白をつくるニット

CUT & SAWN SJC-1 [Art. 89-6700] 

左からオリーブ(T61) ブラック(T91)

そして、こうした存在感のあるレザーに対して、インナーとして合わせたいのが以前ご紹介したニットです。
(前回の記事はこちら ▶︎ https://store-jp.incarnation.jp/pages/blog-post?id=5986 )

こちらは今回のオーダーイベントに合わせて制作された、通常のコレクションには登場しない特別な一着となっています。

今回20着ご用意しておりましたが、グレーは完売し、ブラック1着、オリーブ2着といずれも残りわずかとなりました。

以前のブログでも書いた通り、私は通年、incarnation定番素材のカットソーを着ているため、ニットに袖を通すことはほとんどありませんでした。

理由としては、レザーやコートの下に着た際にごわついてしまうことや、素材によっては、お手入れが難しいと感じていたからです。
しかし実際に以前のブログからも着用を重ねるたびに、その印象は大きく変わりました。

176cm 64kg Size S着用 Col,オリーブ(T61)

見た目には、しっかりとした厚みがありながらも、腕を動かした際のストレスは、ほとんど感じられず、生地が溜まるような感覚もありません。

軽さと扱いやすさのバランスに優れ、ご自宅での洗濯も可能なため、日常使いにおいてもストレスなく着用いただけます。

このニットを着用してから、「ニット=レザーの下では使いにくい」というこれまでの感覚が、大きく変わりました。

重さのあるレザーに対して、インナーで少し力を抜くための一着として、自然に取り入れやすい存在だと感じています。

176cm 64kg Size S着用 Col.ブラック(T91)

また春らしくなってきた気候でも、一枚で着た際には、程よくリラックスしたシルエットと素材の表情によって、シンプルながらも成立するバランスに仕上がっています。

レザーのインナーとしても、単体でも使える。

そのどちらにも無理がなく、自然に成立する点が、このニットの大きな魅力です。

残りわずかとなっておりますが、サイズの合う方は、ぜひこの特別な一着を手に取っていただければと思います。

Col.BLACK (残りSize Sのみ)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1

Col.OLIVE (残りSize Sのみ)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1-olive/

Col.GRAY(完売しました)
https://store-jp.incarnation.jp/products/cotton-60-ac-40-cut-sawn-sjc-1-gray

今回ご紹介したレジナートホースレザーは、素材そのものが持つ強い表情と存在感が魅力の一着です。
下地の色とレジンの重なりによって生まれる奥行きや、着用を重ねることで変化していく表情。

最初から完成された印象を持ちながらも、時間とともに変化していく過程も含めて楽しめる素材だと感じています。
一方で、イベント限定のニットは、実際に着用する中でその印象が大きく変わったアイテムでした。

レザーの下でもごわつかず、自然に馴染む着用感。
これまで感じていたニットに対するイメージが変わり、日常の中でも取り入れやすい存在になっています。

それぞれ異なる魅力を持ったアイテムですが、どちらも実際に袖を通すことで、よりその良さを感じていただけると思います。

ぜひご自身のスタイルの中で取り入れてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

incarnation Japan 
WATANABE

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レザーのように変化していく素材|26SS ヴィンテージリネン

今回もブログをご覧いただき、ありがとうございます。
incarnation Japan TERADAです。

2月下旬から3月末にかけて、各地ディーラー様にて開催されたオーダー会に参加させていただきました。
お会いできた皆さま、各会場に足を運んでいただき、感謝申し上げます。

それぞれの会場で、実際にコレクションに触れていただきながら、サイズ感を確かめたり、イメージを重ねたり。
一着に向き合う、その時間がとても印象に残っています。

今回ご紹介するのは、26SSコレクションのリネンシリーズ。
ファブリックでありながら、どこかレザーと共通する空気をまとった素材です。

その第一弾をご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧ください。

ヴィンテージ・リネンという素材、時間を経て見えてきたこと

1年触れて見えてきた、リアルヘンプという素材

このヴィンテージ・リネン(リアルヘンプ)という素材も、使い始めて1年ほど経ちました。

25SSで初めてコレクションに採用したときは、これは面白いものになると感じながら、どんな変化をしていくのかを個人的にも楽しみにしていた素材です。

いわゆる一般的なリネンとは違う、少し粗さのある質感。

最初に触れたときは、その不均一さや、同じものが一つとないような表情が強く印象に残っていました。

そして実際に製品として仕上げ、この1年向き合ってきた中で、印象も少しずつ変わってきています。

通気性といった機能的な良さはもちろんあるのですが、それ以上に、この素材が持っている空気感にさらに惹かれるようになりました。

どこか乾いていて、それでいて奥にしっかりとした強さがある。

そしてレザーと共通する育つ楽しみ。そんな素材です。

不均一という美しさ

この素材を触り続けて感じるのは、やはり均一ではないということの面白さです。

糸の段階からすでにムラがあり、生地としてもネップやスラブが自然と現れている。

きっかけは、生地屋のオーナーから見せてもらった、50年代にイタリア空軍で使われていたヴィンテージのヘンプ生地でした。

その生地をデザイナーと共に見たとき、整っていないはずなのに、妙に惹きつけられる感覚があったのを今でも覚えています。

整えられていないからこそ、印象に強く残る表情。

そして、その一つ一つに、どこか説得力がある。

レザーを見ているときと、少し近い感覚です。

ファブリックでありながら、レザーのように扱う

製作の工程についても、揉みや叩きの工程を加えていくことで生地の表情が大きく変化していきます。

同じ生地でも、仕上がりは一枚ずつ違う。
そのため、裁断もまとめてではなく、一着ごとに判断していく必要があります。

どの部分をどこに使うかで、仕上がりの印象が変わる。
この感覚は、やはりレザーに近いものがあります。

やりすぎないこと。

整えすぎないこと。

そのバランスを探る作業が、この素材の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。



この素材が形になったとき

今回のリネンシリーズは、素材の特性がそれぞれのアイテムに現れています。

ここからは、ジャケット、パンツ、コートの3型についてご紹介します。

1950’s VINTAGE LINEN 100% SHOWL COLLAR JACKET UNLINED JJK-4

ヴィンテージリネン・ショールカラー ジャケット JJK-4 [Art. 71-1250]

昨年のカジュアル寄りのバランスから、今回は印象を少し変えたジャケットです。

ベースになっているのは、ホースレザー・レジナートでも展開しているモデル。

よりラインを意識した、ややクラシック寄りの設計ですが、そこにリアルヘンプを乗せることで、雰囲気は一気に変わります。

整ったシルエットの中に、不均一な表情が入ることで、どこかラフさを含みながら、それでいて成立しているバランス。

26SSのテーマでもある、クラシックを今の解釈でという部分が、このジャケットにはよく表れています。

フラップポケットをつけたことで、よりクラシックな印象に寄せつつ、素材のムラ感やシワが、その雰囲気を少し崩してくれる。

襟は立てても着られる設計になっているので、その日のスタイルによって表情を変えることもできます。

ドレスの要素と、素材のラフさ。

その間にあるバランスが、このジャケットの一番の魅力だと感じています。

1950’s VINTAGE LINEN 100% PANTS UNLINED SJP-2

ヴィンテージリネン・パンツ SJP-2 [Art. 71-6710]

ベースになっているのは、これまで展開してきたカーブパンツ。

そこから、シルエットとディテールをアップデートしています。

適度にゆとりを持たせたシルエットは、この素材との相性が良く、通気性の良さもあり、ストレスなく着用できるバランスになっています。

特徴的なのは裾の仕様です。

オリジナルのスナップボタンを配置することで、開閉によってシルエットの変化を楽しめる設計になっています。

そのまま穿いたときの自然な溜まり方も良いですし、開いて少し動きを出すことで、また違った見え方になる。

スタイルに応じて調整できるのも、このパンツの魅力のひとつです。

素材に厚みとハリがあるため、着用していく中で大ぶりなシワが入っていき、そこから自然なドレープが刻まれていく。

そのシワは、ただの使用感ではなく、形として残っていく印象です。
このあたりの経年変化も、どこかレザーに近い感覚があります。

シルエット、機能、そして素材の表情。

そのすべてがバランスよくまとまった一本だと感じています。

1950’s VINTAGE LINEN 100% MAC COAT UNLINED

ヴィンテージリネン・マックコート [Art. 71-5440]

この素材を最もダイレクトに感じられるのが、この一着です。

面積が広がることで、不均一な表情やムラ感がより際立ち、素材そのものの存在感がそのまま形になって現れてきます。

シルエットは程よくゆとりを持たせた設計。

着丈も膝下とやや長めに設定されています。この素材特有のハリによって、しっかりと形を保ちます。

動きで見せるというより、佇まいで魅せるコート。

フロントは比翼仕様、袖口も同様にミニマルにまとめることで、全体の印象をより落ち着いたトーンに整えています。
その整った構造の中に、素材のムラや不均一な表情が入ることで、どこか均一ではない、奥行きのある見え方になる。

素材の乾いた空気感と、わずかな陰影が重なり、着込むほどにさらに表情が深まっていきます。

クラシックな形でありながら、素材によって印象が変わる。

その変化を最も感じやすい一着です。



今回のリネンシリーズ第一弾をご紹介しました。

素材としての特性と、それが形になったときの見え方。
ヴィンテージリネンという素材の奥行きを、あらためて感じています。

引き続き、ヴィンテージリネンシリーズでは、ショーツやジレなども登場予定です。
ぜひお楽しみになさってください。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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TERADA


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